マックス・フェルスタッペンは、2019年のF1世界選手権に向けてレッドブル・ホンダのチームリーダーを務めることになる。F1デビュー当時から良くも悪くもその気性の荒さはマックス・フェルスタッペンの特徴だが、昨年の序盤戦はそれがマイナスに働き、多くのインシデントに関与することになった。
象徴的だったのがブラジルGP。レースをリードしている際に周回遅れのエステバン・オコンに追突されて優勝を奪われ、レース後のオコンの態度に逆上して小突いたことで2日間の社会奉仕活動を命じられている。だが、今年はチームの先輩だったダニエル・リカルドがルノーに移籍し、年齢は上だがF1経験は浅いピエール・ガスリーがレッドブル・レーシングに加入。ホンダとの新たな時代を迎えたレッドブルでマックス・フェルスタッペン開発を主導する立場となった。昨年までルノーのF1パワーユニットをたびたび酷評してきたマックス・フェルスタッペンだが、F1プレシーズンテストでは新たなパートナーとなったホンダとのコミュニケーションを重視。F1バルセロナテストではチームスタッフを気遣う発言もしている。「テスト日はとても重要なので、僕たちは夜間シフトを敷いて仕事をしている。彼らは朝7時に再び出発する。僕たちはこの数日間、100人以上の人々が1日24時間仕事をしている」とマックス・フェルスタッペンはコメント。ホンダとの仕事についても「ホンダとのコミュニケーションは良好で、それぞれのチームメンバーも自分がやるべきことを分かっているし、集中しながらいい仕事ができている」と語っている。3日目にテストを終えた後も、翌日にはミルトン・キーンズのファクトリーでシミュレーターを走らせた。「もう少しクルマを理解したいし、異なるセットアップを試して、ベストな方向性を見極めたい。全体的に多くの周回を走り込むことができている。明日はピエールがクルマを走らせて、僕はまたミルトン・キーンズでシミュレーターに乗る。僕たちはメルボルンまでにできるだけ多くの情報を得ようとしている」このマックス・フェルスタッペンの姿勢に感銘を受けているのが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコだ。ヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンの成熟ぶりにとても満足していると語る。「我々は何度か話し合いをしているし、彼が忍耐を示しているのは確かだ。彼は自分がなぜ勝てないかを理解していた。レースをフィニッシュし、ポイントを稼ぐことが重要だとね。そうでなければチャンピオンシップには勝てない。今の彼は成熟している。彼はまだ非常に若いが、はるかに成熟している」とヘルムート・マルコはコメント。「彼はエンジンのドライバビリティににも満足している。昨年は無線でそれほど満足できないとのコメントを度々耳にいた。今シーズンにむけて彼とチームは大きな自信を持っていると思う」ヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンの新しいアプローチが成果を挙げていると語る。「すでに彼は自分のテストに熱心に集中することで非常に前向きな一歩を踏み出した」とヘルムート・マルコは語る。「以前、テストは彼にとって少し退屈だった。彼はただそれを義務としてみなしていた。しかし、今の彼はそれが非常に非常に重要であることを理解している。エンジニアがクルマを開発するために彼の意見が重要だということをね」