2019年のFIA世界ラリー選手権(WRC) 第3戦 ラリー・メキシコの競技2日目デイ2が3月8日(金)にレオンを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車)が総合3位に、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)が総合4位につけた。なお、SS7終了時点で総合4位につけていた、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は、電気系のトラブルによりデイリタイアとなった。
ラリー・メキシコのデイ2は、サービスパークを中心に8本、計114.19kmのSSが行なわれた。今回がヤリスWRCでの初グラベル(未舗装路)ラリー出場となるミークは、速さと安定性を両立させた巧みな走りでメキシコの大地を駆け抜けた。2年連続でオーバーヒートに見舞われたヤリスWRCも、冷却系の改善が奏功し1日を通して高いパフォーマンスを発揮。ミークは総合2位と6.3秒差の、総合3位でデイ2を走りきった。ドライバーズ選手権首位のタナックは、本格的なグラベルステージの始まりとなったデイ2で、1番手スタートを担った。メキシコのグラベルステージは、路面がルーズグラベル(滑りやすい砂利)で覆われている。1番手スタートのタナックはその滑りやすい砂利を掻きながら走らなくてはならず、大幅にタイムをロスした。しかし忍耐強くステージを重ね、ライバルがトラブルやアクシデントで戦列を去る中、午後のステージではじわじわと順位を上げて行った。そして、終盤のSS7とSS9ではベストタイムを記録。総合4位に順位を上げて困難な1日を締めくくった。総合4位となったことで明日は出走順が後方となるため、デイ3ではさらなるポジションアップが期待される。ラトバラは、SS3番手タイムを3回記録し、SS7終了時点で総合4位につけるなど順調だった。しかしSS8を前に電気系のトラブルが発生し、残念ながらデイリタイアとなった。チームはクルマをサービスに運んでトラブルを修理した後、ラリー2規定に基づき明日のデイ3に再出走する予定。競技3日目となる9日(土)のデイ3は、サービスパークの北側エリアと東側エリアで3本のグラベルステージを各2回走行する。その後、レオンのレーシングサーキットでスーパーSSを2回連続で走り、1日の最後にはサービスパークのすぐ近くで市街地SSに臨む。SSの数は全部で9本、計138.37km。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は348.49kmとなる。トミ・マキネン(チーム代表)ヤリ-マティのクルマに問題が起きたこと以外は、良い1日でした。何が起こったのかを正確に探る必要がありますが、最終的には電力不足によるデイリタイアです。クリスにとっては良い1日で、このようなコンディションでクルマに対する理解をさらに深めたことで、明日は今日よりも簡単に走れるのではないかと思います。オットは出走順が1番手だったので、非常に難しい条件で走らなくてはなりませんでした。しかし彼は上手く対処し、明日に向けて良い順位で1日を走り終えました。まだ先は長いですが、良い結果でラリーを戦い終える自信はあります。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)良い1日でした。あれ以上は無理と思えるくらい、全力を尽くして走りました。1日を通してクルマのフィーリングは良かったので、気持ちよく走れましたし、激しく攻める自信もありました。午後のステージは限界まで攻めたので、何度かヒヤッとする瞬間もありました。1日の終わりのスーパーSSでは総合順位が上がりましたが、もしその前のSSでさらに上げられていれば、明日はもっと良い出走順で走れたので少し残念です。とはいえ、少なくともライバルとの走行条件の差は今日よりも少なくなるでしょう。総合2位の選手とのタイム差はそれほど大きくないので、順位を上げるチャンスは十分にあると思います。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)今朝の最初のステージは少し慎重に走り過ぎましたが、その後リズムをつかみ、クルマも本当に好調でした。午後のステージでは走りがさらに良くなり、順位も総合4位に上がりました。しかし、残念ながらオルタネータに問題が起こり発電しなくなってしまいました。残る2本のSSを何とか走ろうとリエゾン(移動区間)で修復を試みたのですが、叶いませんでした。もちろん強いフラストレーションを感じますが、モータースポーツの世界では起り得ることです。視線を先に向けて、残る2日間を戦い抜かなければなりません。クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)このクルマで初めて走ったグラベルラリーのデイ2で、総合3位につけられて本当に嬉しく思います。首位を競うためには少し速さが足りませんでしたが、問題は何も起こらず、クルマは技術的に完璧でした。クルマの中に多くの砂と土煙が入り視界が悪化したシーンもありましたが、クルマのパフォーマンスは高かったと思います。明日は難しいステージが多くあり、今日と同じようにハードな道を走行する長い1 日です。総合2位の選手とのタイム差はそれほど大きくなく、出走順も今日より良くなるので、どのような1日になるのか、とても楽しみです。ラリー・メキシコ デイ2の結果1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (シトロエン C3 WRC) 1h18m33.8s2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +14.8s3 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +21.1s4 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +37.1s5 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +39.1s6 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m00.7s7 マルコ・ブラチア・ウィルキンソン/ファビアン・クレトゥ (シュコダ ファビア R5) +5m16.1s8 ベニート・グエラ/ハイメ・ザパタ (シュコダ ファビア R5) +5m25.9s9 アルベルト・ヘラー/ホセ・ディアス (フォード フィエスタ R5) +6m31.5s10 リカルド・トリビーニョ・ブハリル/マルク・マルティ・モレノ (シュコダ ファビア R5) +9m07.2s12 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +14m28.2s
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