2019年 FIA世界ラリー選手権(WRC) 第2戦 ラリー・スウェーデンの競技3日目デイ3が2月16日(土)にトルシュビーを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合1位に、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)が総合6位に順位を上げました。なお、デイ2でのリタイア後、ラリー2規定に基づき再出走したヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は、総合25位でデイ3を走り切った。
ラリー・スウェーデンのデイ3は、サービスパークの東側エリアを中心に、スウェーデン国内で8本のSSが行われた。首位のライバルと2秒差の総合2位で1日をスタートしたタナックは、オープニングステージのSS9で逆転に成功し首位に立った。その後、ライバルがミスで大きく遅れ、午前中のステージが終了した時点で総合2位の選手に対するリードは33.8秒となった。タナックは午後のステージでは3本のベストタイムを記録し、差を54.5秒に拡げてデイ3を締めくくった。総合8位でデイ2に臨んだミークは、SS9で総合6位に浮上。午前中のステージでは表彰台をめぐる戦いに加わるなど、好調だった。しかし、午後に入り気温が上昇すると路面の雪や氷が解け、ライバルよりも出走順が前方のミークは解けた雪や泥状になったグラベル(未舗装路)のならし役を担う事に。不利な路面条件で思うようにペースが上がらなかったが、それでも総合6位で1日を終えた。なお、ミークは彼の元師匠である、故コリン・マクレーの名を冠したヴァルゴセン2のビッグジャンプ「コリンズ・クレスト」で今大会最長記録となる41mを飛び、観客から拍手喝采を受けた。デイ2の最終ステージでコースオフしてデイリタイアとなったラトバラは、ラリー2規定に基づき再出走。朝1番のSS9ではベストタイムを刻んだ。しかし、その後の日中のステージではミークよりもさらに不利な出走順により、厳しい戦いが続いた。なお、自身のチームからプライベーターとしてヤリスWRCで出場のマーカス・グロンホルムは、デイ3全てのSSを走破した。競技4日目、最終日となる2月17日(日)のデイ4は、トルシュビーのサービスパークを中心に3本のSSが行われる。SS17/18「リケナス」は、サービスパークの北側に展開する全長21.19kmのステージ。そしてファイナルステージとなる全長8.93kmのSS19「トルシュビー2」は、デイ2のSS8と同じコースを走行し、トップ5タイムを記録した選手にボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。3本のSSの合計距離は51.31km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は202.00kmとなる。トミ・マキネン(チーム代表)今日、オットはラリーを完全にコントロールしていました。昨日は良くないコンディションで注意深く、あまり攻めすぎないで走るなど非常に上手く戦いましたが、それが今日の出走順に繋がったのです。とても賢いドライビングにより、オットは優勝に大きく近づいたといえます。一方、クリスとヤリ-マティは特に午後のステージで苦戦しました。彼らによると路面は解けた雪で覆われ、ラリー・モンテカルロをもう1度戦っているような感じだったようです。我々も、多くの選手がコースオフするシーンを目にしました。クリスはポディウム争いから少し遠ざかりましたが、彼の前方にいるドライバー達の戦いは激しく、このようなコンディションでは何が起こっても不思議ではありません。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)非常に上手く行った1日でした。朝の路面コンディションは昨日と同じようにとても良く、心から運転を楽しめました。ただし限界までは攻めず、良いリズムを保つ事だけを心がけて走りました。午後のステージコンディションは、昨日の午後とは大きく異なり非常にスムーズでした。昨日頑張って走った事が今日の有利な出走順に繋がり、アドバンテージを得られたのです。2 位の選手に対して大きなマージンができたので、明日はそのリードを最初の2本のSSで保ち、最終のパワーステージではできればポイントを獲得したいと思います。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)ラリー2で競技に復帰し、今朝1本目のラメーンではベストタイムを記録するなど良いスタートになりました。ラメーンは、2008年にこのラリーでWRC初優勝を決めた時に走った、とても良い思い出があるSSです。今朝は路面コンディションがとても良かったのですが、午後は非常に難しくなったので、明日のステージに向けたセットアップを試す事にしました。高速で流れるような道でクルマは素晴らしいフィーリングなのですが、テクニカルなセクションでは思うように走る事ができなかったので、何とかセットアップでその問題を解決し、明日のパワーステージでは良い結果を狙いたいと思います。クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)昨日に続き、私にとっては今日も複雑な1日でした。路面が良くしっかりと凍結している状況では十分なスピードがあり、表彰台を狙える位置につけていました。クルマのフィーリングは良く、自信も深まってきたので少しハードに攻めてみました。午後は気温が上がり私の出走順では厳しい戦いになると予想していましたが、実際そうなってしまいました。明日は、今現在の順位を守る事に集中しなくてはなりません。ラリー・スウェーデン デイ3の結果1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 2h19m31.7s2 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +54.5s3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +54.5s4 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +56.8s5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +1m08.7s6 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +1m36.5s7 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (ヒュンダイ i20クーペWRC) +1m38.1s8 ポントゥス・ティディマンド/オーラ・フローネ(フォード フィエスタ WRC) +3m08.0s9 オーレ・クリスチャン・ヴェイビー/ヨナス・アンダーソン (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +5m23.4s10 ヤリ・フットネン/アナ・アンティ・リナケト (シュコダ ファビア R5)+5m35.4s25 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +14m49.3s