2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロのデイ2が1月25日(金)にフランス南部のギャップを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC 10号車)が総合4位に、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合7位に、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)が総合8位につけ、ヤリスWRCは困難な状況を乗り越え全車がデイ3に駒を進めた。
ラリー・モンテカルロの競技2日目デイ2は、サービスパークが置かれるギャップの南西エリアで3本のステージを各2回走行するスケジュールだった。しかし、オープニングステージのSS3が観客の安全確保のためにキャンセルとなり、午前中の3本のステージを総合的に考えて導き出したタイヤ戦略が、十分に機能しない状況となってしまった。SS3は雪や凍結したセクションが多く、そこでアドバンテージを得る戦略だったが、ステージキャンセルによりそれが不可能となり、デイ1で総合1位に立ったタナックはペースダウンを余儀なくされ総合3位に後退。さらに、午後の再走ステージのSS7ではパンクで2分程度の遅れをとり、総合7位でデイ2を終えました。一方、総合5位からスタートしたラトバラは、SS4で総合9位に順位を落とした。しかし、その後徐々にスピードを上げて行き、SS5で3番手タイムを、SS6ではセバスチャン・オジエと同タイムのベストタイムを記録。最終的にはデイ1よりもひとつ順位を上げ、総合4位でデイ2を走り切った。なお、ミークは一時総合6位につけていたが、その後ホイールのリム破損によるタイヤ交換作業で遅れをとり、総合8位で1日を終えた。競技3日目となる1月26日(土)のデイ3は、ギャップ北側の山岳地帯で2本のステージを各2回走行するう。ステージはいずれも昨年のデイ3とほぼ同一だが、積雪の有無等、路面コンディションは大きく異なる可能性がある。4本のSSを走り終えた選手達は、その後サービスを経て長いリエゾン(移動区間)を走行し、地中海に面したモナコ公国のパルクフェルメ(車両保管場)を目指す。4本のSSの合計距離は93.38km、リエゾンも含めた1日の総走行距離は、557.52kmに達する。トミ・マキネン(チーム代表)ラリー・モンテカルロでは常に予想外の事が起こりますが、残念ながら我々もオィットとクリスのパンクなど、ハプニングに見舞われました。今年のステージのように路肩部分が凍っている時は多くのクルマがコーナーのイン側により深く切り込んで走ることができますが、路肩と道の段差が鋭く尖っていると、パンクの危険性が高まるのです。オィットは表彰台を狙える位置につけていましたし、クリスもチーム加入後最初のラリーで非常に良いスタートを切りました。去年オィットがそうだったように、クリスもこれからクルマに対する理解を深めていけば、さらに速くなるでしょう。ヤリ-マティはとても良い戦いを続けているので、明日が楽しみです。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)非常にチャレンジングな1日でした。今朝は最初のステージを重視した戦略で臨んだのですが、そのステージがキャンセルとなりタイヤ戦略が機能しなくなってしまいました。午後の再走ステージの1本目は路面コンディションが非常にトリッキーで、雪、スラッシュ(溶けて多くの水分を含んだ状態の雪)、そしてドライ路面がミックスした状態でした。その次のステージではパンクを喫し、クルマを止めてタイヤ交換をしなくてはなりませんでした。そして、午後の最後のステージでは安定した走りができました。ラリーはまだ先が長いので、明日以降も全力を尽くして戦うつもりです。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)全体的にとてもポジティブな1日でした。今朝はとても良い戦略を準備していたのですが、最初のステージがキャンセルされ非常に大きな影響を受けました。ただし、自分自身のドライビングに関しては良いフィーリングが得られるようになって行きました。午後のステージではSS7でスノータイヤと舗装路用タイヤをミックス装着して走りましたが、やや慎重過ぎたと思います。他の2本のステージ、SS6とSS8では安全策としてスノータイヤを4輪に装着して走りましたが、それは正しい判断だったと思いますし、満足しています。明日は3位争いに加わり、最終日に表彰台に立てるように頑張りたいと思います。クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)我々の出走順は理想的ではありませんでした。自分よりも前に走った選手達によって大量の泥が舗装路にかき出され、路面は非常に滑りやすくなり苦労しました。それでも良いタイムが出ていましたし順位も上がっていったのですが、その後不運にもホイールにダメージを受け、クルマを止めてタイヤ交換をしなくてはなりませんでした。とはいえ、約9カ月の空白期間を経て心から運転を楽しんでいますし、あと少しツキがあれば表彰台にも上がれるはずです。他力本願といった状態でもありますが、希望を失わずに戦い続けます。ラリー・モンテカルロ デイ2の結果1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) 1h37m17.3s2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2.0s3 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m17.7s4 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +1m25.1s5 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (ヒュンダイ i20クーペWRC) +1m25.9s6 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +1m47.5s7 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +2m34.9s8 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +5m33.0s9 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ R5) +7m00.1s10 ヨアン・ボナート/ベンジャミン・ボウルード(シトロエン C3 R5) +7m06.7s
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