6月10日(土)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・イタリア サルディニアの競技3日目デイ3がサルディニア島の北部で行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)が総合2位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC#12号車)が総合4位、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC#11号車)が総合5位につけ、全選手が前日よりも順位を上げた。
ラリー・イタリア サルディニアのデイ3は、島北東部アルゲーロのサービスパークを中心に6本、計143.16kmのSSが行なわれた。好天により気温はかなり上がり、乾燥したグラベル(未舗装路)は滑りやすく、そしてタイヤとブレーキに厳しい路面コンディションとなった。そのため多くの選手がパンクやアクシデントに遭遇したが、ヤリスWRCを駆る3クルーは、大きなミスやトラブルなく6本のタフなSSを走破。ラトバラは、SS12で前を走っていた選手がパンクで遅れたため、コース上で追いついてしまい、なおかつ土煙による視界不良でタイムを失ったが、それでも順位を前日の4位から、2位に上げる事に成功した。競技4日目最終日となる6月11日(日)のデイ4は、サービスパークが置かれるサルディニア島北西部の都市アルゲーロを中心に、島の北西部で4本のSSが行われる。SS16、17と、その再走ステージであるSS18、19はグラベル中心のSSとなり、最終ステージのSS19はトップ5タイムを記録した選手に対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられるパワーステージに指定されている。4本のSSの合計距離は42.04km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は90.13kmとなっている。トミ・マキネン (チーム代表)今年もっともタフなラリーだと思われるサルディニアで、ヤリスWRCは全車が5位以内に入っています。選手とクルマの強さが証明された形ですが、エンジニアとメカニックの貢献も忘れるべきではありません。彼らは各サービスで多くの作業をこなし、限られた時間内できっちりと仕事を終え、タイムペナルティを受ける事なくクルマを送り出しているのです。彼らの素晴らしい働きにも感謝しています。今日もクルマに大きなトラブルはなく、またパンクもありませんでしたが、それがこのラリーでは非常に重要である事は、周りを見ればきっと理解できるでしょう。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC #10号車)本日最後のSSではタイヤが完全に摩耗し、ブレーキ温度も上がってしまいました。しかし、それ以外はうまく行き、コースに合わせてクルマを改善する事ができました。午前中最後のSS12では、パンクして遅れた他のクルマの後ろをしばらく走り、土煙の中で前が見えず10秒程度を失いました。どうやら、すぐ後ろを走る自分たちに気がつかなかったようですが、決して少なくないタイムロスですので、チームとして主催者にアピールしました。失ったタイムを少しでも取り戻す事ができるのではないかと、期待しています。ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC #11号車)最後のステージでスピンした際にパワーステアリングに問題が起こり、タイムをロスした以外は良い1日でした。午後のステージでは、タイヤに大きな負担をかけないように全開アタックをひかえ、タイヤをうまく持たせるように気をつけて走り、また、路面が荒れると予想して、日中のサービスで車高を上げて足まわりを硬めましたが、それは正解だったと思います。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC #12号車)今日は出走順が3番手だったので、道の表面には滑りやすいルーズグラベルが多く、それを「掃除」しながら走るのは大変でした。自分にとっては新しい経験となりましたが、多くを学べたのは良い事だと思います。思い切り攻めるのではなく、ミスのないスムーズな走りを心がけました。午前、午後の両方で最後のSSが近づくにつれてブレーキが厳しくなっていったので、クルマに問題が起こらないように、かなり注意深く走りました。また、午後は気温が上がり、路面がザラついてタイヤには厳しいコンディションとなったので、タイヤを労って走りましたが、それは正しい判断だったと思います。関連:【WRC】 ラリー・イタリア 3日目:オット・タナクが首位に浮上
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