2月27日(木)、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで2025年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第1戦カタール1812kmの予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)にとっては複雑な心境の一日となったものの、気持ちを切り替え、翌日に待つ決勝へ挑む。
WECマニュファクチャラーズ選手権のディフェンディングチャンピオンであるトヨタは、18台の強力なハイパーカーが全8戦で争う2025年シーズンWECの開幕戦カタール1812kmで、タイトル防衛へ向けた戦いを開始する。今季最初の予選とハイパーポールでは、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車がデ・フリースの素晴らしい走りで7番手グリッドを獲得。一方でセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、ハートレーがアタックを担当するも厳しいセッションとなり、17番手で終えることとなった。先週のプロローグと比べて涼しくなった中、2台のGR010 HYBRIDは、18台のハイパーカーが競い合い、上位10台がハイパーポールへと進出する最初の12分間の予選セッションへ向かった。7号車のデ・フリースはこの予選で9番手タイムをマーク。しかしハートレーは、2度アタックしたラップでスピンやコースオフを喫して1周を通したアタックができず、8号車はハイパーポール進出を逃した。10台のハイパーカーが10分間でトップ10グリッドを争うハイパーポールでは、昨年ここカタールでデビュー戦ながら素晴らしい走りを見せて2番手グリッドを獲得したデ・フリースが、新品のミディアムタイヤを装着し最初のアタックで暫定5番手につけた。その後、ライバル勢がタイムを更新してきたことで7号車は最終的に、トップのフェラーリ51号車から0.920秒遅れの7番手グリッドとなった。明日の決勝レースはグリッド中盤と最後列からのスタートとなるが、昨年のカタールでのチーム一丸となったパフォーマンスを再現すべく、メンバー全員が士気を高めている。トヨタは昨年、クルマのパフォーマンスがやや劣る状況を乗り越え、マニュファクチャラーズタイトル獲得に大きな役割を果たすこととなった貴重なポイントを獲得することができた。28日(金)現地時間午後2時(日本時間午後8時)にスタートが切られる決勝レースで、チームは好成績を目指す。ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)最終的に7番手グリッドを獲得できたことは、現段階の我々にできる最大の結果だと思いますし、満足しています。ここに来てこれまで、我々は最強ではありませんでしたが、ずっとチャレンジを続けてきました。それだけに、今日はチーム一丸となって結果を出せたことは決勝に向けて重要です。明日は厳しいレースになると思いますが、クリーンに戦い、チャンスを最大限に活かして多くのポイントを獲得できればと思います。ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)予選は上手く行きませんでした。最初のアタックラップまでにタイヤを十分に温めきれず、最初のセクターで後れを取りました。加えてターン15でも車体がコースに底付きし、スピンを喫してしまいました。最後にもう一度アタックしたのですが、ターン12で再び底付きしてコースオフしてしまい、結局満足なアタックラップを刻むことができませんでした。練習走行時と同じラインを走っての結果なので、データを見直す必要があります。ポジティブな面としては、私もセバスチャンも、亮も練習走行では本当に好調でしたし、クルマのフィーリングも良かったので、今日のこの予選のことは早く忘れ、決勝レースへ気持ちを切り替えようと思います。