FIA世界耐久選手権(WEC) 第7戦 富士6時間レースの決勝が行われ、雨と霧のために6回のセーフティカー導入と2回の赤旗中断があった混戦をTOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDは2台共にレース序盤から大半をリード。最後は濃霧によって1時間半早く終了したレースとなったが、#8号車が今季3勝目。#7号車が2位で続き、1-2フィニッシュを達成した。
2017年 FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士6時間レースは、降り続く雨と立ちこめる濃霧により6度のセーフティカー出動と2度の赤旗が出されるなど、混乱した展開となったが、来場された3万2千人もの観客の前で、TOYOTA GAZOO Racingの2台は難しいコンディションをものともしない好レースを見せた。TS050 HYBRID #8号車の中嶋一貴、セバスチャン・ブエミはまだドライバーズ・タイトル獲得の可能性を残しており、チームは彼らに大きな期待を賭けてレースに臨んだ(アンソニー・デビッドソンも同車をドライブするが、前戦オースティンを欠場しているためにタイトル争いに加わっていない)。TOYOTA GAZOO Racing#7号車は、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3人が駆る。彼らはドライバーズ・タイトル争いからは外れているものの、マニュファクチャラーズ・タイトル獲得へ向けた重要な役割を担ってレースに臨んだ。レースは不順な天候に翻弄され、TOYOTA GAZOO Racingも目まぐるしく変わるコンディションに臨機応変な対応を迫られた。スタートは予定通り午前11時に切られたが、セーフティカー先導の下で周回が開始された。2台のTS050 HYBRIDは#7号車を小林、#8号車をブエミが担当。5周を終えた時点でグリーンフラッグが振られて実質的なレースがスタートした。その後もレースは度重なる雨や霧で混乱し、スタートから40分の時点で再びセーフティカーが導入。更に40分後には濃い霧のために赤旗が提示されてレースは中断された。その時点で#8号車は3位、#7号車は4位を走行していたが、レースが再開されるとすぐに、TS050 HYBRIDはライバルをかわし、序盤過ぎには1、2位のフォーメーションを形勢した。ウェット路面の状態で、TS050 HYBRIDは明らかにライバルに対して力強い走りを見せ、ラップタイムも上回った。しかし、ライバルとは異なる燃料給油戦略だったこともあり、セーフティカー導入により何度もマージンが帳消しとなり、そのたびにアドバンテージは失われた。そのため、最後にどの車両が勝つのか全く予想が出来ない展開でもあった。午後3時半を過ぎた頃、富士スピードウェイは再び濃い霧に覆われ、視界は遮られた。その時点でレースは世界選手権の競技規定に則り、チャンピオンポイントをフルに獲得出来る全走行時間の75%をクリアしており、濃霧による二度目の赤旗中断が宣言されると、レースが再開されることなく、WEC富士6時間レースは終了した。赤旗が提示された時点で、首位を走行していた#8号車は予定のピットイン数周前だったが、そのままレースを終えることになった。ブエミ、中嶋と繋いだ#8号車だが、デビッドソンは残念ながらドライブするチャンスのないまま、レースを終えることとなった。一方、#7号車は序盤に発生したワイパートラブルへの対応のためピットストップが長くなり、#8号車からは遅れることになったが、それでもライバルをかわし、2位でフィニッシュ。最高の結果となる1、2位独占を果たした。この富士6時間レースの優勝で、#8号車の中嶋とブエミはドライバーズ・タイトル獲得の可能性を残し、11月5日に行われるWEC第8戦 上海6時間レース、11月18日のWEC第9戦バーレーン6時間レースに臨む。TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)決勝: 2位、 113周、ピットストップ 3回、スターティンググリッド:4番手、最速ラップ(1分38秒747)TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)決勝: 1位、 113周、ピットストップ 2回、スターティンググリッド:3番手、最速ラップ(1分38秒070)村田久武 (TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表)今シーズン表彰台の真ん中に立つのは3度目となり、とても素晴らしい気分です。この結果を成し遂げるため、チームは懸命に努力を重ねて来ました。不順な天候にもかかわらず、本日、富士スピードウェイにお越し頂き、応援をして下さった皆様に心から感謝を申し上げます。皆様からの暖かい声援が我々の頑張となり、ライバルとの激闘をお見せすることが出来て、とても嬉しく思っています。ドライバー達もTS050 HYBRIDも今日の悪天候の中で本当に力強さを発揮してくれました。今シーズン残りの2戦を全力で戦い、ファンの皆様に喜んで頂ける結果を挙げられるよう最善を尽くします。小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車)チームの全員に、そして#8号車のクルー達に祝福を送ります。チームにとって本当に嬉しい結果です。我々はこの週末を通して苦しい状況が続きましたが、決勝レースの直前に適正なセッティングを見出し、それが功を奏しました。レースで周回を重ねるごとに状態は良くなって行きました。悪天候の中で、特にファンの皆様は大変だったと思いますが、多くの応援のおかげで勝つことが出来ました。この結果で期待に応えられたことを嬉しく思います。マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車)#8号車のドライバーの戦いぶりは最高でした。トヨタの母国のレースで1-2フィニッシュを果たせたことも、チームのハードワークが報われた結果であり素晴らしいです。我々が2位に入ったことで、チームにとって最高の結果となりました。私自身が走ったのは短時間ではありましたが、雨で難しいコンディションの中、ライバルとバトルを繰り広げましたが、しっかり2位を守ることが出来ました。ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車)#8号車のクルーは充分優勝に値する素晴らしい働きでしたが、とても難しいコンディションの中でレースを戦ったドライバー皆が本当に良くやったと思います。我々#7号車にとって厳しい結果に終わった土曜日の予選の後、懸命な努力で車両を改善してくれたスタッフに感謝します。富士でのレースは初めてでしたが、他とは違うイベントで、レースが終わった今は何故特別なのか、その理由も分かりました。今日はこの好結果をかみしめて、次のレースへと臨みます。中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車)1-2フィニッシュを目標にしていたので、それが達成出来て本当に嬉しいです。チームにとっても最高の結...
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