2017年FIA世界選手権(WEC)開幕戦シルバーストン6時間レースの公式予選が、4月15日(土)午後1時半から20分間にわたって行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 2台は、好調を維持したまま揃ってグリッド最前列を獲得、これは2013年のバーレーン6時間レース以来であり、そしてポールポジションは2014年の富士6時間レース以来となる。
TOYOTA GAZOO Racingが高速コーナーの続くシルバーストンに持ち込んだのは、ハイ・ダウンフォース仕様のTS050 HYBRID。このサーキットを攻略するには最適と判断した結果だ。TS050 HYBRIDは前日の公式練習から好調を維持し、公式予選でもその速さが光った。ポールポジションを獲得したのは小林可夢偉とマイク・コンウェイが駆った#7号車。WECの予選は3人のドライバーのうち2人がタイムアタックし、その平均値が予選タイムとして採用される。#7号車はまず小林可夢偉がアタック、1分36秒793の驚速タイムを記録してライバルを引き離した。その後マイク・コンウェイに代わってアタックしたが、彼の1回目のタイムは四輪コースオフの判定により抹消され、一時順位は4番手に落ちた。しかし、コンウェイは2回目のアタックで1分37秒816の好タイムを記録、その結果#7号車は平均タイム1分37秒304で見事ポールポジションの獲得に成功した。このタイムは2012年に始まったWECシルバーストン戦におけるLMP1クラスの最速タイムとなる。#7号車のとなりでスターティング・グリッドの最前列に並ぶのはチームメイトのTS050 HYBRID #8号車。#8号車は中嶋一貴とアンソニー・デビッドソンがタイムアタックを担当した。まず中嶋の1分37秒639、続いてデビッドソンが1分37秒548と続き、平均タイムは#7号車とわずか0秒289の1分37秒593差で2番手を獲得した。予選は好天に恵まれたが、気温10℃、路面温度11℃と低く、2台のTS050 HYBRIDの最速タイムには新開発のミシュランタイヤの効もあり、ドライバー達はその高性能ぶりを評価した。しかし、目標はあくまでも明日の決勝レース。目標に向かって知力を尽くした戦略を駆使し、チーム全員がひとつになって戦う。TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)公式練習第3回目: 4番手 (1分40秒656), 20周公式予選: 1番手 (平均1分37秒304)TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)公式練習第3回目: 1番手 (1分39秒476), 27周公式予選: 2番手 (平均1分37秒593)小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車)あれ以上は無理というくらいにアタックした予選で、結果には本当に満足しています。TS050 HYBRIDは今日も素晴らしい仕上がりで、チームは本当に良くやってくれました。オフシーズンを通してチームが全力を尽くして開発してくれたことに感謝します。そして今日の私の予選でその結果をお見せすることが出来ました。シーズン開幕戦をポールポジションという、決勝レースへ向けた最高のポジションからスタート出来るのはとても良い気分です。マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車)ポールポジションが獲得出来てとても嬉しいです。順調なスタートが切れました。この好調さを決勝レースでも発揮出来るように願っていますが、間違いなく容易なレースにはならないでしょう。1周目のアタックラップがタイム抹消になってしまったのは残念でしたが、予選ではよくあること。2周目のアタックもポールポジション獲得には充分なタイムで良かったです。中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車)今日もとても順調な一日でした。可夢偉が素晴らしいラップタイムをマークしてくれました。ここシルバーストンは好きなサーキットのひとつで、個人的にも予選アタックは上手くいったと思っています。しかし、我々にとっての目標は、明日の決勝レースです。ロングランでの走りにはとても満足しているので、明日の決勝レースでも好調さを発揮出来るように頑張ります。アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車)トヨタの2台で最前列グリッドを占められたのは素晴らしいことで、良い一日になりました。ずいぶん久しぶりな気がします。この素晴らしいパフォーマンスは、トヨタ東富士研究所とTMGの技術陣が冬のオフシーズン中に全力で開発してくれたお陰で、本当に感謝しています。こんどは我々が、厳しい接戦が予想される明日の決勝レースに立ち向かう番です。
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