トヨタは、2014年FIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストン6時間レースの予選で、僅差の争いの末にポールポジションを獲得した。アレックス・ブルツと中嶋一貴が予選アタックを担当し、ステファン・サラザンは待機となったTS040 HYBRID #7は、わずか0.005秒差でトップタイムをマークした。
アンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエールがタイムアタックし、セバスチャン・ブエミがピットから見守った#8号車は、全8戦のシーズン開幕戦を5番手からスタートすることとなった。#8は予選の直前に行われた公式練習第3回目で、スーパーキャパシタの交換のため、ほとんど走行することが出来なかった。昨年同様、WECの予選は各車2人のドライバーが、それぞれ最低2周のタイムアタックを行う必要があり、それぞれのドライバーの最速2周、計4周の平均ラップタイムで競われる。ブルツとデビッドソンが25分の予選セッション開始と同時にコースイン。LMP1クラスを戦うトヨタ/アウディ/ポルシェの3マニュファクチャラーによる、非常に僅差でのポールポジション争いになることが明らかとなった。それぞれのドライバーが2周ずつのアタックを終えた後、#7は中嶋、#8はラピエールへと交代。コース上の混雑とタイヤの摩耗もあり、ポールポジション争いは激しさを増した。中嶋はファイナルラップまで安定したタイムを刻み、僅差ながらポールポジションを獲得。ラピエールはコース上の混雑に阻まれ、5番手タイムとなった。6時間の決勝レースは明日20日(日)の正午(日本時間午後10時)にスタートが切られる。トヨタ・レーシングはこれまでの1年半で達成したWECでの5勝という記録を更に伸ばすべく決勝レースに挑む。TS040 HYBRID #7:(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)公式練習第3回目:6番手(1分43秒997)22周予選:1番手(平均1分42秒774)アレックス・ブルツ:ポールポジションにはいささか驚いたが、接近戦になる事は分かっていた。驚いた理由は我々のTS040 HIBRIDのパフォーマンスを信じていなかったと言うことではなく、ここに来るまでセッティングに関して実に多くの意見交換や議論があったからだ。そこで下した結論が正しく有効に働いたとこは明らかだ。一貴のアタックは強烈で、最高だった。とにかく我々はTS040 HYBRIDが安定して走る様に仕上げ、それは今のところ確認出来ている。だが、レースで勝つことが我々の目標であることは言うまでもない。中嶋一貴:シーズン幕開けのレースでポールポジションを獲得出来たことはこの上なく嬉しい。ライバルとのタイム争いは非常に接近していたので、最後のアタックは死にものぐるいだった。心配は6〜7周も走り込んでいるタイヤだったが、アレックスがタイヤを労って走ってくれていたので、予選後までグリップを失うことはなかった。最高のタイムアタックが出来たと思うし、トラフィックも上手くかわせた。ポールポジションを獲得出来たということはチームにとって最高の結果で、これまでの苦労が実を結んだといえる。明日のレースは全力を尽くす。TS040 HYBRID #8:(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)公式練習第3回目:5番手(1分43秒835)3周予選:5番手(平均1分43秒189)アンソニー・デビッドソン:とにかく、チームがポールポジションを獲得出来たのが良かった。7号車の仲間は素晴らしい走りをしたし、TS040 HYBRIDがこのペースで走るところを見るのも本当に嬉しい。我々の8号車は、昨日の朝からちょっとしたトラブルのため全て順調というわけではなかった。昨日の朝から予選に入るまで1周も走っていなかった。路面がずいぶんと変わっており、TS040 HYBRIDも同様だった。新品タイヤから最高の性能を引き出して走るのは非常に難しかったが、自分の走りには満足している。期待出来るのはTS040 HYBRIDが速さを取り戻しつつあることだ。ニコラス・ラピエール:チームがポールポジションを獲り、ここでの性能が分かって嬉しい。アレックスと一貴にはおめでとうと言いたい。残念ながら我々のTS040 HYBRIDは、今朝走れなかったのでその影響もあり、ベストラップを叩き出すには至らなかった。また、セットアップも少し違うものを選んでいたことも影響している。しかし、明日は長いレースになるし、望みうる最高の結果に向け、プッシュして行く。明日は雨になるようで、何が起こるかわからないが、エキサイティングなレースになるだろう。
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