トヨタ・レーシングは、WEC第3戦ル・マン24時間レース(6月16日〜17日)に出走する2台目のTS030 HYBRID(ゼッケン#8)のドライバーに、背中の違和感を理由に本レースを辞退した石浦宏明の代役としてステファン・サラザンを起用することを発表した。ステファン・サラザンは36歳のフランス人ドライバーで、既に決定しているアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミと共に、2台目のTS030 HYBRID(#8)のステアリングを握ることになる。
トヨタ・レーシングは、今週ポール・リカールでの走行テストの際に、ステファン・サラザンのドライビング評価を実施。彼は期待通り、経験豊富な耐久レースドライバーとして求められる速さと安定感を示し、正式採用となった。 ステファン・サラザンはル・マン24時間レースで過去3回表彰台に上った実績を持ち、2002年にF1テストドライバーとして起用して以来、10年ぶりにTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH:トヨタ・レーシングの運営母体)に戻ってくることになる。 ステファン・サラザンは、今週、ポール・リカールにおいて、#7ドライバーのアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴と共に、#8ドライバーのアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミのチームメイトとして加わり、TS030 HYBRIDを初めて運転した。火曜日から始まった今回のテストでは、性能向上アイテムの評価とセットアップを4日間にわたり実施。3回目のTS030 HYBRID耐久テストとして無事成果をあげて終了した。 トヨタ・レーシングは、ル・マン24時間レースに備えた6月3日のル・マンテストデーに参加すべく、サルト・サーキットに向かう。 ステファン・サラザン「トヨタ・レーシングでル・マン24時間レースに参戦する機会を得られたことは、本当に嬉しく、また、誇りに思う。TMGの仲間と仕事をした時のことはよく覚えているので、また戻ってこられて喜んでいる。今週はチームとクルマに慣れることに専念したが、強力なサポートもあったし、我々は更に前進したと思う。全く新しい技術は大変勉強になるし、今季得られるものは多いと信じている」木下美明 (チーム代表)「ステファン・サラザンのようなスキルと経験のあるドライバーをトヨタ・レーシングの一員に迎えることができ、本当にうれしく思う。彼はル・マン24時間レースの知識も豊富で、2位表彰台を含めコースレコードもつくった実力の持ち主であり、我々の期待に応えてくれるものと信じている。チームには、ステファン・サラザンのことを覚えているメンバーも多く、また彼と一緒に働けることを大変楽しみにしている」パスカル・バセロン (テクニカル・ディレクター)「今回のテストで、我々のル・マン24時間レースを前にしたテストプログラムは終了した。次にTS030 HYBRIDを走らせるのは、来月のル・マン24時間レースの行われるサルト・サーキットそのものということになる。4月に起きたアクシデントで、我々の準備が理想的に進まなかったのは確かだが、それを悔いている場合ではない。我々は目前の課題に最善を尽くしてきた。トヨタ・レーシングにとって初年度となるル・マン24時間レースは、紛れもなく大変な挑戦であるが、これまで積み重ねてきた準備に満足しているし、これから先に待ち受ける課題を克服することも楽しみにしている」