トヨタは、ル・マン24時間レースに参戦する2台目のドライバーにセバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン、そして石浦宏明を起用することを発表した。2012年のFIA世界耐久選手権(WEC)にTOYOTA TS030 HYBRIDでシリーズエントリーするトヨタは、シリーズ第3戦ル・マン24時間レースには2台体制で参戦し、カーナンバー7の1台目のレースドライバーにはアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエールと中嶋一貴の3名で参戦することを発表していた。
アンソニー・デビッドソンはル・マン24時間レースでは昨年の4位入賞を含む参戦経験を持ち、セブリング12時間レース及びスパ・フランコルシャン6時間レースでも勝利を飾っている。その貴重な経験をル・マン24時間レース参戦へ向けてチームにもたらすことが期待される。 石浦宏明は日本のSUPER GTシリーズで活躍する、有望なドライバーの一人。石浦は昨年ニュルブルクリンク24時間レースに参加し、ヨーロッパでの耐久レースも経験している。 セバスチャン・ブエミは主にフォーミュラカーで経験を積んできている若手ドライバー。現在もF1のレッドブル・レーシングでサードドライバーの任についているが、TS030 HYBRIDで耐久レースにデビューすることとなる。 来る5月5日(土)に開催されるFIA-WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースには、チームのレギュラードライバーであるアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエールと中嶋一貴の3名がTS030 HYBRIDで出場する。また、アンドレア・カルダレッリがチームのジュニア・ドライバーに決定している。 木下美明「チーム2台目のTS030 HYBRIDは、エキサイティングなドライバーラインナップとなった。アンソニー・デビッドソン、石浦宏明、セバスチャン・ブエミの3名は才能と知性を併せ持ち、既にモータースポーツの世界で好結果を重ねてきている。彼らがトヨタ・レーシングに大きく貢献してくれることを確信している。我々は、ドライバーを速さや安定性だけでなく、チームの一員としての能力も考慮して選んだ。この3名は我々のプロジェクトに好適なドライバーであり、彼らをチームに迎えられて本当に嬉しい。レギュラードライバーであるアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴の3名と共に、トヨタ・レーシングがル・マン24時間レースで活躍できる強いチームにしてくれるメンバーだと信じている」アンソニー・デビッドソン「トヨタ・レーシングの一員となって、今年のル・マン24時間レースに再び参戦することになり、本当に嬉しい。ル・マン24時間レースを戦うことは常に大変エキサイティングなことだが、トヨタ・レーシングのようなチームに加わって、ハイブリッド・レーシングカーで出場するということで更に特別な思いだ。TS030 HYBRIDとその技術についてはこれまで色々なことを耳にしてきたが、私のキャリアで初めてとなるハイブリッドカーを実際にドライブするのを楽しみにしている。今年はチームにとって学習の年だということはわかっているが、トヨタ・レーシングは高いポテンシャルを秘めており、今年のル・マン24時間レースでもそれを示せればと思っている」石浦宏明「私のレース人生における目標の一つである、ル・マン24時間レースに挑戦できるというのは非常に大きなチャンスだ。私はここ数年間、耐久レースで多くの経験を積んできており、このカテゴリーでの戦い方は得意としているが、ル・マン24時間レースのスケールやスピードはさらに上のレベルだろう。TS030 HYBRIDについてはロールアウトの際に既に体験済みであり、事実、一番最初にドライブしたのは私だ。外見からの好印象だけでなく、可能性の高さも感じられ、開発に貢献できるのを待ち望んでいる。何よりも、ル・マン24時間レースに参加できることが楽しみで仕方なく、待ちきれない」セバスチャン・ブエミ「トヨタ・レーシングのドライバーとして、モータースポーツにおける世界最大のイベントの一つであるル・マン24時間レースに参戦できることを誇らしく思う。特に、トヨタのドライバーとしてル・マンに参加するというのは私にとって特別なことだ。40年以上前から私の祖父はトヨタのディーラーを経営しており、私は基本的にトヨタというブランドと共に育ってきた。また、将来を見据えた先進技術に注力しているトヨタのハイブリッドカーをドライブ出来るということにも興奮している。私はこれまでに初代と第2世代のプリウスでハイブリッドカーを運転したことがあるが、TS030 HYBRIDは更に進化しており、レースを戦うのを心待ちにしている。LMP1車両はハイレベルなレーシングカーだし、プロフェッショナルな環境でのレースは私にとって非常に有意義な経験となるだろう」