レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、トロロッソ・ホンダがブレンドン・ハートレーを解雇し、パスカル・ウェーレインを起用するとの噂を否定した。一度はレッドブルのジュニアプログラムを外されたブレンドン・ハートレーだったが、WECで実績を積み、昨年末にダニール・クビアトに代わってトロロッソでF1デビュー。今年はトロロッソ・ホンダからフル参戦している。
F1アゼルバイジャンGPでは待望のF1初ポイントを獲得したブレンドン・ハートレーだが、チームメイトのピエール・ガスリーとパフォーマンス的にも劣っている感は否めない部分もある。また、パフォーマンスだけでなく、F1中国GPではチームからの指示を把握できずにピエール・ガスリーと同士討ちのきっかけとなり、続くF1アゼルバイジャンGPでは、予選Q1でパンクを喫した際にライン上に留まり、後ろからタイムアタックのために高速で走行していたピエール・ガスリーとあわや大クラッシュというニアミスを引き起こした。決定的なのは、先週末のF1スペインGP。フリー走行3回目に大クラッシュを喫してマシンを大破させたブレンドン・ハートレーは、予選までにチームにクルマをほぼ作り変えさせるほどの作業を強いた。それにより、早くからパドックではブレンドン・ハートレーの実力を疑う声があり、トロロッソ・ホンダはハートレーの解雇を検討しているとの噂が広がっていた。だが、レッドブルのジュニアドライバーにはF1の出場資格があるドライバーは育っておらず、代役として昨年までザウバーでF1を戦っていたパスカル・ウェーレインが後任候補といて囁かれ始めた。メルセデスの育成ドライバーであるパスカル・ウェーレインは、2016年にマノーでF1デビューを果たし、非力なマシンでオーストラリアGPで10位入賞。翌年にザウバーに移籍し、1年落ちのフェラーリ製パワーユニットを搭載した戦闘力の劣るマシンでF1スペインGPで8位、F1アゼルバイジャンGPで10位に入り、チームに5ポイントをもたらす活躍をみせた。しかし、ザウバーがアルファロメオを介してフェラーリとの提携を強化したことでシャルル・ルクレールを起用したことでF1シートを喪失。今年は2015年にチャンピオンを獲得したDTM(ドイツツーリングカー選手権)にメルセデスから参戦している。Blid は、先週末のF1スペインGPでブレンドン・ハートレーの解雇とパスカル・ウェーレインの起用について話し合いが行われたと報道。バルセロナには珍しくレッドブルの総帥ディトリッヒ・マテシッツが訪問していたことから、この噂が加速した。しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、その噂を否定している。「どこからどんな噂が出てきたのかわからない」とヘルムート・マルコは語った。しかし、火の無い所に煙は立たないのがF1。前任者のダニール・クビアトがシーズン中に首を切られたよう、レッドブルは特にジュニアドライバーへの扱いが厳しいことで知られており、ブレンドン・ハートレーが正念場を迎えているのは間違いないだろう。