トロロッソは、新しいエンジンパートナーと2018年のF1世界選手権にむけて好調なスタートを切ったが、テクニカルディレクターを務めるジェームス・キーは“開幕戦を迎えるにあたり解析するべき課題はまだ残っている”と語る。トロロッソは、今シーズンからルノーに代えてホンダのF1パワーユニットを搭載。過去3年間、マクラーレンとのパートナーシップで信頼性トラブルが多発していたホンダのF1パワーユニットには懸念の声も挙がっていたが、トロロッソ・ホンダは8日間で全体で3番手に多い822周を周回した。
一方、ルノーにエンジンを変更したマクラーレンはトラブルが多発し、全チームで最下位の619周に留まった。ホンダのF1パワーユニットは8日間のテストでほぼノートラブルで予定していたプログラムをほぼ完了できたが、最終日にはレースシミュレーションの最終盤にパワーユニットのデータに異常が検知され、分セッション終了2時間ほど前にチームはテストを終了している。トロロッソのテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーは「開幕戦を迎えるにあたり解析するべき課題はまだ残っている」とコメント。「この2週間のテスト期間中、素晴らしい仕事をしてくれたホンダの仲間たちに感謝している。テスト2の期間中は、1つのエンジンで走行していたが、ほぼ問題なく機能してくれた。ただ、今日のテスト終盤に小さなトラブルがあり、リスクを避けるために走行終了を決断した。テストプログラムはほぼ完了していたので問題はなかったが、今後ホンダとともに問題解決に努めていきたいと思う」「しかし、そのほかはほぼ問題なく終了することができた。この2週間、マシンの改善・開発をサポートしてくれたホンダにとても感謝している。これにて2018年度のプレシーズンテストは終了となったが、この2週間は忙しくも充実した時間となり、あっという間に過ぎていった。今シーズンの開幕がとても楽しみだ! 1年以上も前から始まったSTR13の開発は、そろそろ最終段階を迎えようとしている。次のフェーズは、レースで戦い、マシンを進化させていくことだ。数週間後にメルボルンから始まる新たなるシーズンを楽しみにしている」トロロッソのチーム代表フランツ・トストは、ホンダとの関係は、今季の新しいマシンを開発し向上させていく上で間違いなく重要だと語る。「先週のテストは天候に恵まれなかったが、テスト2では好転し、気温は20℃、路面温度も37℃前後のという絶好のコンディションの下で、走行することができた。これによって、チームはマシンやタイヤ、セットアップについて多くを学べたと思う。願わくは、テストは(天候の問題が少ない)バーレーンでできればいいね」「我々にとって、強力なエンジンマニュファクチャラーであるホンダとの関係は、今季の新しいマシンを開発し向上させていく上で間違いなくとても重要だ。今回は互いに協力しながら、問題も改善してこられたのではないだろうか」「ここバルセロナでの2回のプレシーズンテストを終え、8日間で3826kmを走りきれたことにとても満足している。テストができたのは悪天候により実質7日間だったが、それを考慮しても良い結果になった。スピードと信頼性において、問題なく走ることができたのは素晴らしいと思う」「ホンダの素晴らしい仕事とともに、我々チーム側もドライバー達が扱いやすいマシンを作り上げるという、素晴らしい活躍を見せてくれた。ブレンドンとピエールは、テスト期間中、有効なかつ的確なフィードバックをしてくれたので、メルボルンでの開幕戦に向けそれらを解析している段階だ」「まだまだやることはたくさんあるので、ポジティブにかつ慎重に進めていきたいと思う」ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は「ウインターテスト全体で考えると、多くのテストを行い、有用なデータを収集することができました」とコメント。「また、今回初めて8日間のサーキットオペレーションをトロロッソと一緒に行いました。互いにオープンで率直なコミュニケーションが取れており、チームとしていい形で機能しています」「まだシーズン前のテストが終わっただけの段階ですが、理想的なスタートを切ることができました。2人のドライバー、そしてトロロッソとメルボルンで開幕戦を迎えることが非常に楽しみです」
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