11月12日(土)ツインリンクもてぎでSUPER GTの第3戦(AP代替戦)が行われ、ヘイキ・コバライネン/平手 晃平組 DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車が終盤猛追するも届かず2位フィニッシュ。それでもドライバーズランキングでは3ポイント差の首位に浮上した。3位から6位もLEXUS RC F勢が続き、この5台がタイトル獲得の可能性を残して最終戦に臨むこととなった。
12日(土)は朝から好天に恵まれたが、前夜の雨により、予選が行われる朝方はまだ路面はウェット。車両が走行を重ねることで路面は乾いていくと思われたが、ウェットタイヤか、スリックか、悩ましいコンディションで予選を迎えた。午前9時から15分間一発勝負となる、GT500クラスの予選が気温11度、路面温度12度と朝方ならではの寒いコンディションで開始された。LEXUS勢では平川亮が駆るKeePer TOM'S RC F 37号車以外はウェットタイヤでコースイン。日差しは強くなるものの、ほぼ無風ということもあって予想以上に路面は乾かず、最後までウェットタイヤ勢が優位の展開となった。LEXUS勢で気を吐いたのはコバライネンが駆る39号車。残り4分半というところで3番手タイムをマークすると、その翌々周、残り1分を切ったところでついにトップタイムをマーク。コバライネンにとって自身初となるポールポジションを獲得した。39号車はこのポールポジションによる1ポイントを加えたことでランキング2位タイに浮上。その他のランキング上位勢が予選で下位に沈んだこともあり、逆転に絶好の状況で第3戦の決勝を迎えることとなった。チェッカーが振られた後、最後の最後にタイムを刻んで3番手に飛びこんだのがニック・キャシディのau TOM'S RC F 36号車。関口雄飛がアタックしたWedsSport ADVAN RC F 19号車が8番手につけたが、ランキング上位を争うWAKO'S 4CR RC F 6号車は10番手、ZENT CERUMO RC F 38号車は14番手、スリックタイヤでギャンブルに出た37号車は最後尾15番手グリッドとなった。午後1時10分からの決勝レーススタート時には路面は完全に乾き、気温18度、路面温度24度と、前日までとはうって変わって暖かく、過ごしやすい気候の下でスタートが切られた。ポールポジションの39号車 平手は絶好のスタートを切り後続を引き離すと、その後方では3番手スタートの36号車 伊藤大輔がサイド・バイ・サイドバトルの末に2位へ浮上。2周目には8番手グリッドからこちらも好スタートで2つポジションを上げた19号車 関口雄飛が更に前を攻め5位へ。3周目にクラッシュ車両によりセーフティカーが導入され、8周目に再スタートが切られると、10番手スタートから7位へと順位を上げていた大嶋和也の6号車が10周目に6位へポジションアップを果たすなど、LEXUS勢が序盤から着実に上位へと躍進していった。レースが中盤に入り、各車ピットへ向かい、給油とドライバー交代、タイヤ交換を実施。ここで、最後尾15番手スタートで、序盤接触によるスピンを喫しながらも10位まで順位を上げていたジェームス・ロシターから平川へとドライバー交代した37号車が、コースへ復帰した直後にトラブルに見舞われ、無念の戦線離脱。タイトル争いからも脱落してしまった。レースが折り返しを過ぎ、ほとんどの車両がピット作業を終えても、GT-Rの24号車と関口の駆る19号車がややピットを遅らせる作戦に。29周終了でピットインした19号車はタイヤ無交換作戦を採り、4位でコースへ復帰。一方、規定周回ぎりぎりの33周を走ってピットへ向かったGT-R 24号車もタイヤ無交換で、首位のままコースへと復帰した。その後方では、キャシディの36号車とコバライネンの39号車が激しい2位争い。抜きつ抜かれつのバトルが数周にわたって繰り広げられたが、39周目にこのバトルを制し2位に浮上した39号車コバライネンが、首位への猛追を開始した。その時点で6秒程あった首位との差を、みるみるうちに詰めて行った39号車コバライネンは、50周を終えた時点でその差を1秒フラットに。残り3周の時点でテール・トゥ・ノーズ状態に詰め、逆転を狙った。わずか0.26秒差で迎えたファイナルラップ、39号車のコバライネンは最後まで首位を追い詰めたが、惜しくも逆転には至らず、2位でチェッカー。しかし、ランキングを争うGT-R 1号車が9位に終わったこともあり、39号車のコバライネン/平手組が3点上回ってのランキング首位に浮上した。36号車が3位、6号車が4位、19号車が5位、38号車が6位と、予選で苦しんだLEXUS勢も着実に上位へと進出してフィニッシュ。6号車も首位と7ポイント、38号車が11ポイント、19号車、36号車も14,15ポイント差と逆転タイトルの可能性を残して13日(日)の最終戦に臨むこととなった。ヘイキ・コバライネン (DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車)ポールポジションからスタートして2位でフィニッシュ出来たという結果には満足している。ただ、ライバルの異なる戦略やタイヤなどの要素もあって先行を許してしまった。でもベストなレースが出来たし、あと5周もあればパスすることも出来たと思う。あの時点でパスするのはリスキーだったし、時間も足りなかった。それでもチャンピオンシップを考えれば良い結果だし、我々の目標はタイトル獲得だ。今年はクルマの感触も、チームの状態もとても良い。これでランキング首位に立つことが出来たのはとても嬉しいし、ドライバー2人とも好調なので、明日へ向けての自信もある。タイトル獲得へ向け全力を尽くす。平手 晃平 (DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車) 朝、ヘイキ(コバライネン)がとても良い走りでポールポジションを取ってくれたので、何も気負うことなくスタートできた。ただ、タイヤ選択が昨日の時点でのものだったため、タイヤのマネージメントに気を遣った。スタート直後に大きなギャップを築けたがSCが入ってしまい、ゼロになってしまったのが痛かった。ただ、その後またギャップを広げ、トップのままミス無くクリアに帰ってこられたので自分としては良い仕事が出来たかなと思う。明日は自分が予選を担当するが、クルマのフィーリングもいいし、ウェイトハンデが0になるので、軽い車で思いっきり走りたい。プレッシャーはない。思いっきり行く。伊藤 大輔 (au TOM'S RC F 36号車)スタートは順調な滑り出しだったかなとは思うが、予想よりも早めにグリップダウンを感じたので、ちょっと長めの予定だった後半スティントは硬めのタイヤをリクエストした。その選択が上手く行かなかった感じはあるが、どちらにしてももう少しクルマの基本ペースを上げないと、タイヤ無...