AUTOBACS SUPER GT第6戦『45th International Suzuka1000km』の決勝レースが28日(日)、鈴鹿サーキットで行われた。SUPER GT最長の1000kmレースらしく、時折雨が降る難しいコンディションの中、レース巧者ぶりを発揮したNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明組)が、予選8位からの逆転優勝を果たした。GT300クラスでは、鈴鹿1000kmを得意とするNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が勝利した。
鈴鹿1000kmは45回を重ねる伝統の一戦。さらにSUPER GTで最長距離のため、シリーズポイントが通常レースより多く与えられる重要なレースだ。この日の鈴鹿は午前から雨が降った止んだりと難しいコンディション。決勝スタート前は雨が止んでいたものの、コースは一部がウエットでレインタイヤを選択するチームもあった。スタートではポールポジションのNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀)が順当にトップに立つが、後方から猛然と追い上げてきたのは予選8位スタートのNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)。滑りやすい路面の中、明らかにスピードに勝るZENT CERUMO RC Fは、わずか17周でトップを奪う。この後、追いすがるのは日産GT-R勢だったがNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが車両火災に見舞われてリタイアし、No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rはペナルティストップで遅れる。代わってレース中盤から2番手に上がったのは、No.36 au TOM'S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ組)。このチームは鈴鹿1000kmを連勝中という耐久レースを得意としているだけに、今年も予選は11位からこの位置まで巻き返してきた。終盤は雨に見舞われる中、No.38 ZENT CERUMO RC FとNo.36 au TOM'S RC Fの時に順位を入れ替える好バトルが展開。最後はスピードに勝ったNo.38 ZENT CERUMO RC Fが、最終ラップに石浦がコースアウトするハプニングもあったが大事には至らず、見事に逃げ切って今季初勝利を掴み取った。3位にはレギュラードライバーの負傷欠場で今大会急遽GT500クラスデビューが決まった高星明誠のがんばりもあって、No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが入った。これで立川祐路はGT500通算15勝目を挙げ、石浦宏明はこのチームでの初勝利となる通算4勝目を挙げた。またチームにとってもレクサスRC Fにとっても、これが今季初勝利となった。 GT300クラスは、予選2位のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が、序盤の他車との接触によるコースアウトによるタイムロスを跳ね返して、今季初勝利を挙げた。BRZはSUPER GT初優勝もこの鈴鹿1000kmで、スバル車としては鈴鹿1000kmの3勝目となった。GT500クラスNo.38 ZENT CERUMO RC F立川 祐路「優勝できて嬉しいけど、ホント、疲れました。こんなに疲れた鈴鹿1000kmは初めてですね。大変だったけど、でもがんばった甲斐がありました。昨日の予選では僕がミスして下位に沈んでしまっていたので、何とか取り返したかった。それができてホッとしています」 石浦 宏明「最後の雨は、正直目を疑いました(苦笑)。最後のシケインは止まりきれなくて…。でもトップでチェッカーを受けることができて良かったです。今シーズンはここまで苦しい戦いが続きましたが“立川(祐路)さんと僕のコンビで負けるはずがない!”、そう自分に言い聞かせて頑張ってきました。優勝できて、本当に良かったです」 GT300クラスNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT井口 卓人「(優勝するまで)長かった。でも勝てて良かったです。これもチームがんばってくれたから。今日は自分のスティントで押し出されてスピンしたんですが、最後まであきらめずに走ろう、と。セーフティカーの出たタイミングも良かったし(他車に押し出されてのスピン以外は)ある意味完璧なレースになりました」 山内 英輝「僕自身はこれが初優勝ですが、鈴鹿1000kmで初優勝を飾ることができて本当に最高の気分です。井口(卓人)君とのコンビで一生懸命戦ってきた甲斐がありました。それと、こうして初優勝できたのも応援してくれたファンの皆さんのおかげ。感謝したいです」
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