快晴に恵まれた11月13日(日)、ツインリンクもてぎにて2016FIA-F4選手権のシリーズ最終戦となる第14戦が行われ、宮田莉朋(みやた りとも)がチャンピオンを獲得した。前日の第13戦を終えた段階で、チャンピオン争いの権利を残すのは、宮田莉朋、阪口晴南、大湯都史樹の3人に絞られたが、ダンプコンディションでタイヤ選択の分かれた第6戦決勝のベストラップによって決められた第14戦のグリッドでは、タイトルを争う3人大湯が20番手、宮田が25番手、阪口が33番手と予想外の後方グリッドからのスタートとなった。
SUPER GTの公式予選終了後、午前9時59分にスタートとなった12周の第14戦決勝。オープニングラップのヘアピンでクラッシュがあり、セーフティーカーが導入される。注目の3人は、大湯が17番手、宮田が19番手、阪口が21番手とそろって大きくポジションアップを果たしていたが、ポイント獲得にはまだまだ遠い状況。大湯は5周目に14番手、7周目に13番手、9周目に12番手と躍進。さらに宮田も5周目に15番手とすると、7〜8周目にファステストラップを刻みながら追い上げ、9周目には14番手、11周目には12番手に。阪口も11周目には15番手に浮上を果たす。このレースを制したのは今季2勝目となった平木湧也。タイトルを争う3人は最終的に大湯が10位に入り1ポイントを加算。宮田は11位、阪口は15位でフィニッシュしポイント獲得はならなかった。この結果、シリーズチャンピオンに輝いたのは宮田。阪口、大湯がランキング2〜3位となり、チェッカー後には宮田が喜びを爆発させながらウイニングランならぬ“チャンピオンラン”を行った。これで開催2年目となったFIA-F4選手権シリーズも全日程を終了。3年目となる来季はさらなる激戦が期待される。2016 FIA-F4選手権シリーズチャンピオン 宮田莉朋———チャンピオン獲得おめでとうございます。今の率直な気持ちを聞かせてください。 「はい。今は素直に嬉しいです。今週末のもてぎ大会を通じて、チームの皆さんや体の面など、支えてくださった全ての人に感謝したいと思います」 ———昨年途中からスポット参戦し、今季はフル参戦しました。今季1年を振り返ってコメントをお願いします。 「そうですね、今年は開幕大会から昨年よりも安定感のないレースをしてしまって、2戦連続でノーポイントとなったりしたこともあり、こんなことではチャンピオンを獲ることはできないと思いましたが、ポイントのシステム的にはまだ逆転はできると思い直し、とにかくまずは史上最年少優勝を目指しました。それをクリアしたあたりから、徐々にチャンピオンが獲れるかもしれないという気持ちも出てきましたが、本当にそれを実現することができたのも、たくさんの準備をしていただいたチームの皆さんのおかげです」 ———3レース制大会のレースフォーマットなど、色々な状況の中でタイトルの懸かった最終戦は残念ながら後方からのスタートとなりました。 「今日の最終戦は25番グリッドからのスタートとなり、ポイントを獲得するのは厳しかなと思ったのですが、練習走行通りに走ることができれば自分のペースは悪くないと思っていましたし、前に大湯選手、後ろに阪口選手がいましたので、そのあたりの状況も見ながら戦って、最後は大湯選手の前でゴールできたらいいなと思って走りました。結果的に大湯選手の前に出ることはできませんでしたが、追いつくところまで行って、最後まで良いレースができたので、本当に良かったと思います」 ———今振り返って、このFIA-F4選手権で学んだことは何でしょうか? 「自分はフォーミュラレースはこのFIA-F4選手権しか知りませんが、周囲にはJAF-F4やF3を経験しているドライバーも出ています。サーキットに関しても自分はFIA-F4でのレースがそこでの初レース、というケースが多かったものの、これまでのデータであるとか、他のカテゴリーの車載映像とか、色々なものを使ってFIA-F4選手権のレースウィークに向けて準備したりしてやってきました。他のドライバーに比べて、そういう部分では自分は有利ではなかったと思いますが、その中でこうした結果を残すことができましたし、そうした経験すべてが良かったように思います」 ———FIA-F4選手権のチャンピオンを獲ったわけですが、今後の自身の目標をお願いします。 「もちろんまだ何も決まっていませんが、やはりF3にはステップアップしてみたいと思います。また、僕のような年齢でもGT300はもちろん、GT500にも乗りたいという気持ちはすごく強いので、来年それが叶ったら良いなと思います」