2022年 SUPER GT 第4戦の決勝レースが、8月7日(日)に富士スピードウェイで行われ、GT500クラスはNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)の初優勝。GT300クラスはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が今季初勝利を決めた。決勝日は午後1時過ぎで気温26度、路面温度31度と各チームの事前の予想に比べてやはり低めだった。さらに、この頃にわか雨が降ったことでコースは濡れて各チームは慌てたが、雨はすぐに止みコースも乾き出したため、各車はスリック(晴れ用)タイヤを装着。
しかし、午後2時のレース開始時点でもコースに少し水たまりがあったため、安全を考えてフォーメーションラップが1周追加され、当初周回数の100周は99周になった。スタートでは、ポールポジションのNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が順当にトップでTGRコーナーを通過。だが3周目のTGRコーナーで、19号車を予選2位のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)がパスしてトップを奪う。19号車はそのあとNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)のフェネストラズ、No.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)にも抜かれて後退。レース序盤は24号車、37号車、12号車が2~3秒間隔で並んでトップ3を形成する。4番手につけたNo.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)は前戦のマシントラブルで、シャシー交換と、規定数を越えるエンジンの交換を行って今大会に出場したため、レース中のピットストップ10秒というペナルティを課せられ、これを消化するためピットに向かった。これでNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が4番手となるが、上位3台からは徐々に引き離されていった。今回の450kmレースは、給油を伴う2回のピットインが義務付けられた。予選15位スタートのNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)は、他と違う作戦を狙って19周目に早めのピットイン。それ以外はレースのほぼ1/3にあたる33周目以降に最初のピット作業を行った。まず5、7位を走っていたNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)とNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)がピットイン。だが23号車はその後マシントラブルが発生し、緊急ピットインして上位から脱落した。1回目のピットイン後も、トップ24号車と追う37号車のトップ3は変わらず。その約10秒後方に4番手の8号車、5番手に36号車が続いた。膠着状態が続く上位3台に変化が起きたのは65周目を過ぎたあたり。3台の間隔が徐々に詰まりだし、1秒差ほどまでに接近する。その状態で迎えた72周目に24号車、73周目に37号車、74周目に12号車がそれぞれ2回目のピット作業を行った。ここで37号車が素早いピット作業を行い、実質トップでコースイン。2番手には12号車、24号車は3番手に下がり、このピット作業が勝負の分かれ目となった。37号車は前の走行から引き続き宮田がステアリングを握る。「前のスティントは思うペースではなかったけれど、最後のスティントはペース良かった」と言う宮田は、徐々に12号車との間隔を広げて、逃げ切り体制を築いていく。一方、2、3番手の12号車と24号車の差も開いて、このままトップ3は99周を走りきってチェッカーを受けた。見事な逆転優勝を成し遂げたNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)。ドライバー2人はGT500クラス最年少の23歳コンビで、共に嬉しいGT500初勝利だ。また、優勝の20ポイントを加えたことで、ドライバーランキングのトップに躍り出た。2、3位はNo.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)と前戦に続きNissan Z GT500が表彰台に上がった。4位はNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)。5位にはHonda NSX-GTのNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が入った。GT500 ClassNo.37 KeePer TOM'S GR Supraサッシャ・フェネストラズ「まずTGR TEAM KeePer TOM'S、そしてTOYOTA GAZOO Racingに感謝しています。すばらしいレースウィークになりました。なかなか思うようにいかないシーズンを過ごしてきたのですが、今はだんだんと状況が良くなってきています。今日のレースで優勝できたことは、本当にうれしいです。レース直前に雨が降った中、スタートを担当することになりましたが、そのあとのスティントを担当した宮田(莉朋)選手もすばらしい走りを見せてくれたと思います。僕のスティントでは、(前を走る)ヨコハマ(タイヤの)24号車が速くて強かったですね。もちろんスタート直後は逆転しようとトライしましたが、まだ路面が雨で濡れていたのでリスクを負うことはしたくなかったんです。コンディションが落ち着いてからタイミングを見ようと思いました。第2、第3スティントを担当した宮田選手はすごくいい仕事をしてくれました。今日の結果は僕らにとってSUPER GT500クラスでの初優勝なので、本当にうれしいです。富士での長いレースが終わった後に、また次の鈴鹿も長いレースですが、ファンにとっても楽しみな一戦になると思います。僕らにとってはやることの幅も広がるし、戦略もいろいろと必要になりますが、その中で僕自身が長距離の戦いを楽しんでいます。タイヤ、クルマも難しい部分もあるでしょうが、そこは大丈夫じゃないでしょうか。それに、僕としては『また鈴鹿1000kmが復活してくれたら最高なのに』と思っているんです。その時は、またすばらしい経験を積むことができるでしょうね」宮田莉朋「まず前回の鈴鹿(第3戦)が終わってから2カ月の間まったくテストもなくて。チームとサッシャ(フェネストラズ)選手と共に、どんなコンディションになるのか、どんな季節になるのかをずっと考えながら、クルマのセットアップやタイヤ選択を考えていました。結構厳しい状況下……、テストができないということがすごく難しかったのですが、結果として予選、決勝共に戦えたことがすごくうれしかったです。レースウィークに入る前にサッシャ選手が(7月28日に)誕生日を迎えて、僕も明後日(8月10日)に誕生日を迎えるんですが、レースウィークに入る前には『勝って誕生日パーティができるくらいのレースをしようね』と一緒にご飯を食べたりしていたのですが、僕らが宣言していたことが実現して本当にうれしいです。レースでは第2スティントが結構きつかったのですが、コース上で追い抜くのは厳しい反面、ピットストップを短縮させるために走りながらいろんなことを努力していて。だからきつかったものの、そ...
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