2021年のSUPER GT 第2戦『たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE』の予選が5月3日(月)、静岡県の富士スピードウェイで行われた。GT500クラスのポールポジション(予選1位)はNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)の宮田が初の獲得。GT300クラスはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の山内がポールポジションとなった。
午前に行われた公式練習では、まさに五月晴れという青空と雪化粧した富士山と絶好の観戦日和だった富士スピードウェイだったが、午後になると雲が多くなり、富士の山頂付近が雲に隠れてしまった。気温は午前と変わらぬ16度。路面温度も日差しが弱くなったせいか、30度には届かないコンディションとなった。GT500クラスの予選Q1は午後3時3分より10分間でスタート。公式練習ではトラブルがあったNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)とNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)も修復が間に合い、全15台がピットに待機する。普段はすぐには出て行かない各車だが、今日は想定より路面温度が低いのか、開始時間となると16号車(笹原)、No.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也)を先頭に順次コースに出て行った。そして4周、5周と入念にタイヤを温めてから、1周か2周のアタックを敢行。まずターゲットタイムを出したのはNo.38 ZENT CERUMO GR Supra(石浦宏明)で1分27秒815。これをNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)が1分27秒569で上回る。だが、ここからTOYOTA GR Supra GT500勢のトップタイム更新が連続。その中、No.19 WedsSport ADVAN GR Supraの国本雄資がトップに立つも、それをNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔)が1分27秒220と更新してみせる。これで決まりかと思われたが、開幕戦岡山の勝者No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(山下健太)が1分27秒176と書き換えてトップを奪う。またも上位をGR Supra勢が独占するかに思われたが、No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀)がチェッカーラップの激走で0.019秒差にまで詰め寄るも2番手止まり。NSX-GTの意地を見せたが8号車以外のトップ7、つまりGR Supraの全6台となった。NISSAN GT-R NISMO GT500勢では、23号車がその後ろ8番手でQ1を通過した。Q1上位の8台は、午後3時41分より10分間で行われたQ2に駒を進める。ここでもNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(宮田莉朋)を先頭に、各車はいつもより早めにコースインし、4周以上を掛けてタイヤを入念に温める。そしてラスト2分を切ってNo.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路)が1分27秒114とQ1で14号車が出したトップタイムを上回ってトップに立った。これにNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)が続いて2番手に。しかし残り1分を切って、この2台を大きく引き離す1分26秒496を叩き出したのはWedsSport ADVAN GR Supraの宮田莉朋だ。この後、38号車とNo.36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛)がタイムアップするが、19号車に届かず。さらにNo.8 ARTA NSX-GTの福住仁嶺も1分26秒499を出すが、19号車はわずか0.003秒足りなかった。宮田にとっては初のポールポジションで、TGR TEAM WedsSport BANDOHとしては2016年第7戦タイ以来の予選1位だった。これで第2戦の決勝スターティンググリッドは、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)が最前列からスタート。隣にはNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)となった。富士を得意とするNo.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)が、予選3位からトップを伺う。そして4位はNo.36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)。GT-RのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、500kmレースの長丁場を活かして逆転を狙うこととなった。決勝レースは、4日午後2時30分にスタートする。GT500 ClassNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資「ポールポジションを獲れてうれしいですし、それ以上にびっくりしています。朝の公式練習もトップで終えることができたんですけど、完璧な状態ではなくて、ちょっと不安が残る状態で迎えた予選でした。実際、僕が担当したQ1でもクルマがちょっとピーキーだなと感じていました。でも、宮田(莉朋)君がずっと速かったので、彼を信じてQ2を走ってもらいました。するとセクター2でものすごく速いタイムが出てきて、その時点でびっくりしましたし、それで1周回ってきたら1分26秒4だったので、これだったら間違いなくポールを獲れるだろうと思ってうれしかったです。チームや横浜ゴムさんとがんばってきたことが少しずつ良い方向に進み始めたのかなと思える結果で予選を終えることができました。今日は(このチームの先輩である)織戸(学)さんの誕生日なんですね。その力がプラスして今日のパフォーマンスが出たのかな、と思います(笑)。今回はGT500のGR Supra勢は全車がQ1を突破できましたし、明日の決勝レースはお客さんの前でゴールデンウィークらしく楽しく一生懸命に走って、また“GR Supra祭り”にできればいいなと思います」宮田莉朋「僕はGT300クラスに出ていた時代を含めてQ2を担当したことがほとんどなくて、今回が初めてくらいだったんですが、国本(祐路)選手にQ1を突破してもらえて、それを受けてQ2を走ってトップタイムを出せたというのはすごくうれしいですし、チームに感謝しています。僕自身としては、攻め切れたところがあった反面、攻めたかったけど攻められなかったところがあるので、そういうところをもうちょっと潰しておければもっと良いタイムを残せたんじゃないかという思いがあります。ただ、結果的にこうしてトップタイムを残せたというのは良かったです。僕らは本当にいろんなことをチームや横浜ゴムさんと一緒に挑戦的にやってきたので、その努力を早く結果に残したいという気持ちがありました。僕はこれまでに他のカテゴリーでポールポジションを獲ってきた経験はありますが、SUPER GTはいろんな要素がすべて噛み合わないとトップになれないレースです。だからQ2のアタックを終え、チームから無線で「ポールポジションだよ」と言われたときは、いろいろな想いがこみ上げてきて泣いてしまいました」GT300 ClassNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人「素直にホッとしています。新型BRZのデビュー戦だった前戦の岡山ではQ1で敗退となって、僕自身の走りも含めてほろ苦いものになってしまったので、今回のレースに向けて巻き返しを図ってきていました。実際、公式練習からすごくいい流れで...
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