スーパーフォーミュラの第3戦がスポーツランドSUGOで行われ、途中に入ったセーフティカーと戦略の違いで順位が大きく入れ替わり、ニック・キャシディ(KONDO RACING)が自身キャリアベストとなる2位フィニッシュ。中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が3位、スーパーフォーミュラの決勝レースとしては実質デビュー戦となるトム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)が大健闘の4位に入った。
スーパーフォーミュラの第3戦が5月26日(土)、27日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。悪天候のため決勝レースがキャンセルとなってしまった前戦オートポリスからわずか2週間。間にSUPER GTのレースを挟んでの連戦という厳しいスケジュールで迎えた第3戦は、杜の都仙台にほど近い、SUGOのマウンテンサーキット。高い技術と度胸が要求される難コースSUGOでは、一昨年デビューイヤーながら鮮烈な勝利を飾った関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が昨年も連続勝利。関口雄飛の3連勝がなるか、僅差での混戦が続くスーパーフォーミュラで、新たな覇者が生まれるか、そして今季より全戦採用となった2スペックタイヤ、ソフトタイヤでの走行は初めてとなるSUGOでどのようなレースが繰り広げられるか、注目の一戦となった。予選26日(土)は好天に恵まれ、爽やかな風と暖かな日差しという非常に過ごしやすい陽気の下、気温24度、路面温度41度というコンディションで、午後1時20分にノックアウト方式の予選が開始された。ミディアムタイヤでのアタックが義務づけられているQ1(20分)はまず各車一旦タイムを出してピットへ戻り、タイヤを交換して再アタック。1度目のアタックの時点で、上位16台が0.8秒位内に入るという、相変わらず僅差の争いが予想される幕開けとなった。各車が2度目のアタックに入り、次々にタイムが塗りかえられていく中、残り1分15秒というところで、今大会スーパーフォーミュラ2戦目の出場となるトム・ディルマンが電気系のトラブルから止まってしまい、セッションは赤旗中断。この時点で前戦ポールポジションの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、昨年のSUGO大会ポールのニック・キャシディらがアタック出来ておらず、Q2進出圏外に。セッションは1発アタックがぎりぎりの、残り2分20秒で再開され、トップタイムの国本雄資(P. MU / CERUMO・INGING)ら上位の数台を除く、当落タイム近辺の車両が再アタックに入った。ここで平川亮らはタイムを上げQ2進出圏内へ浮上。山下健太(KONDO RACING)が15番手、大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)が16番手、ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM'S)が17番手でQ1敗退が確定かと思われたが、ここで、中断前まで5番手につけており、Q2進出は確実として再アタックしていなかった関口雄飛が、黄旗区間で減速しなかったとしてベストラップタイムを抹消。16番手へと順位を落とし、Q2進出を逃すこととなってしまった。コースアウトしたトム・ディルマンの車両撤去にも手間取り、予定よりも遅れて午後2時15分から7分間のQ2がスタート。今大会、フリー走行からトップタイムをマークするなど好調な石浦宏明(P. MU / CERUMO・INGING)がこれまでのコースレコードを更新する好タイムをマークし2番手。チームメイトの国本雄資もコースレコード更新タイムでこれに続き3番手。小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が5番手、平川亮が6番手、中嶋一貴が7番手でQ3へ進出。関口雄飛の脱落によりQ2進出を果たした山下健太は進出ラインの8番手にコンマ1秒及ばず10番手、ニック・キャシディが11番手でQ3進出を逃すこととなった。Q3(7分)は午後2時32分にスタート。各車Q2までとはなぜかタイヤのグリップ感が変わったコンディションに苦しみながらもタイムアップ。平川亮がまず1分4秒台に入れると、小林可夢偉がこれを上回るタイムで2番手、最前列グリッドを獲得。平川亮は3番手。国本雄資が平川亮のタイムと1000分の1秒差の4番手で2列目に並ぶことに。中嶋一貴は7番手。石浦宏明はセクター2で最速タイムをマークし期待されたが、僅かに攻めすぎ、SPコーナー出口でハーフスピン。なんとかクラッシュは免れたものの、以降のアタックは諦めざるを得ず、8番手から決勝に臨むこととなった。決勝27日(日)も好天に見舞われ、気温24度、路面温度41度のコンディション。暖かな日差しの下、多くのレースファンが見守る中で予定よりも4分遅れの午後2時19分、68周で争われる決勝レースのスタートが切られた。最前列2番手グリッドの小林可夢偉はそのままの順位をキープすると、首位の車両から離されることなく周回を重ね、14周目のストレートエンドで首位を奪取した。首位に立った小林可夢偉は、後続をみるみる引き離し、2位に4秒もの差を付けたが、17周目、ジェームス・ロシターが前車をパスしようとして接触、2台共にコースオフ。これでセーフティカーが導入されることとなり、小林可夢偉が築いたマージンは帳消しとなってしまった。中嶋一貴ら数台がこのセーフティカー導入と同時にピットインし、その翌周には平川亮らもピットへ。これに対し小林可夢偉と国本雄資の2台はピットインせず、1-2位につけて24周目にセーフティカーが戻り、本格戦が再開された。小林可夢偉はどこかで一度ピットインしなくてはならないため、ピットインを終えた車両よりも前でコースに戻るためには、その車両と約35秒以上のマージンを稼ぐことが必要となり、再スタートから猛プッシュを開始。周回毎に後続との差を広げて行った。43周目、実質的な首位となる、ピットイン終了組最上位との差を30秒まで広げてピットインした小林可夢偉だったが、ピット作業でタイヤの交換に手間取りタイムロス。アウトラップでも数台にかわされ、実質6位でコースへ復帰した。その直後にピットインした国本雄資は、ピットアウト直後にシフトのトラブルに見舞われ痛恨のリタイア。最後までピットインを引っ張った関口雄飛、石浦宏明もピットアウト後はポジションを落とすこととなってしまった。全車がピットを終えた時点でトヨタ勢最上位の2位に浮上したのは、5周終了という早い時期にピット作業を終えるという、独自の戦略を採ったニック・キャシディ。これにセーフティカー導入と同時にピットインした中嶋一貴が続き、そしてやはり7周目という早いタイミングでのピット作戦を採ったトム・ディルマンが4位に浮上した。中嶋一貴は前を行くニック・キャシディを攻めましたが逆転には至らず。小林可夢偉も再び猛烈な追い上げを見せ前車との差を1秒以内まで詰めて行ったが...
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