スーパーフォーミュラ 第4戦 富士スピードウェイの予選が7月7日(土)に行われ、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)が今季初、昨年の第6戦菅生に続いて自身2度目のポールポジションを獲得した。土曜日の富士スピードウェイは雨の峠が過ぎたものの、Q1からウェット宣言が出され、セッション後半には雨がパラつき始める微妙なコンディション。その後、Q2、Q3も微妙なコンディションが続き、各ドライバーのタイヤ選択が分かれた。
19台から14台に絞り込まれる20分間のQ1が始まったのは、午後2時半。この時点では、路面のほとんどが乾いていたものの、競技団からはウェット宣言がなされる。湿度が高く蒸し暑いコンディションとなり、セッション開始時の気温は25℃、路面温度は27℃。その中で、開始3分前から多くのクルマがピットロードに並んだ。装着しているタイヤは、全車ミディアムのスリック。金曜日の専有走行も、土曜日午前中のフリー走行も、ほとんどのドライバーはスリックタイヤを履いていなかったため、まさにぶっつけ本番の予選が始まった。20分のセッションを終えて、Q1をトップ通過したのは、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、No.4 山下健太(KONDO RACING)、No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、No.2 国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、No.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)、No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)らがこれに続く。逆にQ1でノックアウトとなってしまったのは、No.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.50 千代勝正(B-Max Racing team)、No.7 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、No.15 ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)だった。10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞り込まれる7分間のQ2が始まったのは、午後3時。この時も、雨がパラつく微妙なコンディションだったが、走り始めのタイヤチョイスは大きく分かれた。大嶋、平川、松下、塚越、山下、キャシディ、可夢偉がソフトのスリックタイヤでコースインしたのに対して、国本、山本、一貴、ロシター、伊沢、関口、石浦はレインタイヤでコースイン。関口を除くレインタイヤ組は、アウトラップを終えると、ピットに入り、スリックタイヤに交換する。想像していたよりも路面が乾いていたためだ。この時、山本だけは「すでに温まっているタイヤの方がリスクが少ない」ということで、Q1で使用したミディアムを装着。他のドライバーはソフトのニュータイヤを装着した。1分23秒641というトップタイムをマークしたのは、国本。同じくチェッカー周にタイムを縮めた平川が2番手。以下、キャシディ、石浦、塚越、一貴、山本、関口までがQ2を突破。逆に、ここで敗退となったのは、ロシター、松下、伊沢、山下、大嶋、可夢偉だった。可夢偉は、セッション初めのコースインが最も遅く、本来であればチェッカー目前にコントロールラインを通り、最終アタックをする予定だったが、その前の周のヘアピン立ち上がりでエスケープまで大きくコースアウトしてタイムロス。その影響でアタック前にチェッカーを受けてしまった。さらに、コースアウトした周に出したベストラップタイムも、走路外走行ということで予選終了後に削除されている。このQ2終了から、10分のインターバルを経て、いよいよPPを決定づける7分間のQ3が始まったのは、午後3時17分。この時も、同様に微妙なコンディションとなるが、ほとんどのドライバーはソフトのニュータイヤを装着して、すぐにコースイン。一貴だけがユーズドのレインタイヤを装着し、同様にすぐコースへと入った。ちょうどこのタイミングで、セクター3には雨が降り始める。見る見るセクター3はウェットコンディションとなり、一貴以外のドライバーはアウトラップを終えるとピットイン。タイヤを交換してコースに戻った。その間に、一貴は1分38秒840というトップタイムをマーク。雨が強くなってきたような気配もあったため、このまま一貴がPPをかっさらうのかと思われた。だが、実際には、一貴のタイヤがアタック1周で悲鳴を上げ、その後はタイムアップならず。これに対して、一旦ピットインしてレインタイヤを履いた選手たちがチェッカーと同時にタイムを上げてくる。その中で、計測1周目にも関わらずトップタイムを書き換えたのは、石浦。ディフェンディング・チャンピオンとして、さすがの力を見せた。だが、タイミング的に2周計測できたドライバーは、さらに大きくタイムアップ。その中で、ニック・キャシディが1分38秒098を叩き出し、今季初のPPを獲得している。これに続いてアタックしていた山本は、1分38秒289で惜しくも2番手。だが、ランキングトップに立っている山本にとっては、貴重なフロントロウとも言える。以下、石浦、一貴、塚越、関口、平川、国本というトップ8。明日の決勝は、ドライコンディションになると見られているが、どのドライバーも、2スペックそれぞれのスリックタイヤで、決勝セットを初めて試すのが明日の朝ということで、データ量は豊富ではない。その分、非常に興味深いレースが展開されることになりそうだ。予選1位 No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)「すごくうれしいです。今シーズン、僕はこのスーパーフォーミュラで結果を残したいという思いが強くて頑張っているのですが、今日も集中して臨んだのですが結果が出てうれしいです。今回難しかったのは、セッティングでした。ウエットでもドライでも、タイヤ選択には自信がありました。なので、ピットで慌ただしくセットを変えようとする様子を見て、「ねぇ、みんな!聞いてる? セットは換えなくてもいいよ」、なんていう面白い状況だったんです。スタッフは驚いていましたね。とにかく僕としてはどういう状況であれ、今日はポールが獲れると思っていたので、落ち着いて行こうと思っていました。Q3でタイヤ交換のためにピットインするタイミングはチームと無線でやりとりし、僕がそのタイミングを決めました。ただ、(中嶋)一貴選手に抜かれたときは、もう彼がポールを獲ったとも思いましたね。ですが、ウエットタイヤを装着したとき、セットアップもタイヤの内圧もパーフェクトではなかったものの、自分でできることを最大限にやろう、いい仕事をしようと思って走りました」予選2位 No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)「ど...
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