2021年のスーパーフォーミュラの最終戦が鈴鹿サーキットで行われ、9番手からスタートを切った平川 亮(carenex TEAM IMPUL)が見事な追い上げを見せて2位表彰台フィニッシュ。チームメイトの関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL)も14番手から10ポジションアップの4位に入り、2人が所属するcarenex TEAM IMPULが今季のチームチャンピオンを獲得した。
全日本スーパーフォーミュラ選手権の今季最終戦となる第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」が10月30日(土)、31日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。前戦もてぎからわずか2週間。スーパーフォーミュラに出場するほとんどのドライバーが前週行われたSUPER GTにも参戦しているため、3週連続レースという忙しいスケジュールで、シリーズ最終戦を迎えることとなった。ドライバーズタイトルについては、最終戦を待たずして前大会で決定。トヨタ勢は惜しくもタイトル獲得はならなかった。しかし、チームタイトルではcarenex TEAM IMPULが目下首位につけ、僅差でタイトルを争っており、また、今季デビューのドライバーによるルーキー・オブ・ザ・イヤーについても、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)と宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)がタイトル獲得の可能性を残し、今大会に臨むこととなった。今大会、同一週末にバーレーンで行われているWEC(世界耐久選手権)に出場するため、中嶋一貴と小林可夢偉は欠場。代役として、KCMGの7号車は小高一斗、Kuo VANTELIN TEAM TOM'Sの36号車はジュリアーノ・アレジがドライブする。今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止対策を十分に講じた上での有観客で開催された。イベント広場にはTOYOTA GAZOO Racingブースが開設され、TS050 HYBRID、SF19レプリカを展示。また、今大会は「モータースポーツジャパン2021 in JAF鈴鹿グランプリ」が併催され、往年の国内トップフォーミュラカーやWRCを戦ってきた伝説の国産車を展示。GRヤリスWRCやトヨタ・セリカなどが展示され、集まったモータースポーツファンの皆様の注目を集めた。予選30日(土)、晴れ渡った秋空の下、気温21度、路面温度30度という午前中の練習走行時よりも路面温度が上がったコンディションの下、午後1時50分よりノックアウト方式の予選が行われた。Q1、Q2はそれぞれ2グループに分けて実施。上位7台がQ2へと進出するQ1のA組では、各車一旦コースへ出ていってすぐにピットイン。残り5分ほどで再度コースへ向かい、アタックに入った。このA組は宮田、阪口を含むルーキータイトルを争うドライバーが3人含まれていたことで注目を集めたが、その宮田が速さを見せQ1トップタイムをマーク。今季2度目の出場となるサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が3番手、国本 雄資(KCMG)が5番手、阪口が6番手、関口が7番手で辛うじてQ2へと進出。大嶋 和也(NTT Communications ROOKIE)はタイムが伸びず9番手に終わった。Q1B組でもやはり一旦コースインし、戻って来てから残り5分でアタック開始。平川が好タイムをマークし2番手。山下 健太(KONDO RACING)が5番手、アレジが7番手でQ2進出を決めるも、坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)はこのアレジのタイムに0.029秒及ばず8番手で無念のQ1敗退。小高も9番手で予選を終えることとなった。Q2は上位4台がQ3へと進出。A組ではここでも宮田が速さを見せトップタイム。フェネストラズが4番手に入り、今季2戦目にしてQ3進出を決めた。一方、国本、阪口、関口の3名が5,6,7番手でQ2敗退となった。Q2B組では、やや日が陰って路面温度が下がってきた影響か大幅にタイムがアップ。平川はA組トップの宮田に迫るタイムをマークしたものの、ライバル勢がさらにタイムを縮め、0.077秒差の5番手。山下が6番手、アレジが7番手となり、このB組ではトヨタエンジンの3台全てが敗退となってしまった。Q3では、宮田がQ1,Q2での自身のベストタイムは更新したものの6番手。フェネストラズは今季2戦目ということでQ3進出を最優先にタイヤを使ってきたため、このQ3にはタイヤが残っておらず、8番手から決勝レースをスタートすることになった。決勝31日(日)、午前中に行われたウォームアップ時は雨に見舞われ、ウェットコンディションでの走行となったが、その後雨は止み、曇り空ながらドライコンディションで決勝レースを迎えた。全車がスターティンググリッドに並んでスタートを待つ間にパラパラと雨が落ち始めたものの、本格的に路面を濡らすまでには到らず、全車スリックタイヤで、気温21度、路面温度25度というコンディションで午後2時に30周で競われる決勝レースのスタートが切られた。9番手グリッドの平川が好ダッシュを決め、6位へとジャンプアップ。トヨタ勢最上位グリッドの6番手からスタートした宮田は9位へと後退、この宮田をかわしたフェネストラズが6位へ、そして11番手スタートの山下も9位へと2つポジションアップを果たした。2周目に2位を争う2台が接触し、1台がコースオフ。これで5位に上がった平川は、3周目、バックストレートエンドの超高速コーナー130Rでアウトから豪快にライバルをパスし、4位へとポジションを上げた。コースの西側でやや雨脚が強まり、ウェット宣言も出される中、宮田は3周目のスプーンカーブで痛恨のスピンを喫し、最後尾へと後退。また、首位を走行していた車両がスタート違反でドライブスルーペナルティを受け、平川はついに表彰台圏内の3位までポジションを上げた。ピットインが可能となる10周目を終えると、山下、アレジ、坪井らがピットへ。ライバル勢がピットで遅れる中、山下がこのグループの先頭でピットアウトし、ポジションを上げた。翌周、2位の車両を含めた他の車両がピットへ向かう中、平川はピットを少し遅らせる作戦を採り、この時点でのファステストラップを刻みながら、先に入った見えないライバルとの差を詰めていった。14周を終えたところで平川がピットイン。先行していた2台の前でピットアウトすることに成功したが、タイヤが暖まりきる前に1台にかわされ、事実上の2位となり、再逆転のチャンスを伺う形となった。ほとんどの車両がピットインを終える中、関口が最後までピットインを遅らせ、ハイペースで周回を続けて、見えないライバルとのタイムバトルを展開。残り3周となったところで関口はピットへ向かい、狙い通り4位でコースへと復帰した。タイヤの暖まっていないアウトラップの関口は、5位の車両からの猛追を受けるが、抜群のテクニックでこれを抑え込み、4位のポジションを堅...
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