スーパーフォーミュラの第3戦が記録的に早い梅雨入り後の九州・オートポリスで開催され、決勝レースは悪天候の中11周で赤旗終了。代役参戦のジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が、スーパーフォーミュラ参戦2戦目ながらポール・トゥ・ウィンで初勝利を飾った。今季よりフル参戦の阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が2位に入り自身初表彰台を獲得。同じくフル参戦初年度の宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が4位で続き、難コンディションの中で、3人の21歳ドライバーが活躍を見せた。
スーパーフォーミュラの第3戦が5月15日(土)、16日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催された。今季のスーパーフォーミュラは、5月半ばにして早くも3戦目を迎えた。ここまでの2戦、トヨタ勢は4月の開幕戦富士では平川亮(carenex TEAM IMPUL)の4位が最高位に終わり、第2戦鈴鹿では平川が2位表彰台に上ったものの、未だ未勝利。しかし、各チーム調子は上向いており、オートポリスでの巻き返しに期待がかかった。2週間前のWECスパラウンドに参戦した中嶋一貴と小林可夢偉は待機期間が取れないため欠場、サッシャ・フェネストラズも日本への入国が叶わず、それぞれ、Kuo VANTELIN TEAM TOM'S 36号車はジュリアーノ・アレジ、KCMG 7号車は小高一斗、KONDO RACING 4号車は中山雄一が代役としてドライブ。今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を十分にとった上で、有観客での開催となった。イベント広場のTGRブースには、GRスープラ、GRヤリスに加え、GR 86が九州初の展示。あいにくの天候となる中、サーキットを訪れた熱心なモータースポーツファンの皆様の熱い視線を浴びていた。予選15日(土)、九州地方は北部も例年より20日近く早い梅雨入りが宣言され、朝から雨模様の一日となった。午前中のフリー走行で各車ウェットでのセッティングを確認。午後の予選が悪天候によりキャンセルされる可能性もあったため、このフリー走行から各車予選同様の緊張感での走行が繰り広げられた。午後に予定されていた予選は、通常のノックアウト方式ではなく、40分間の計時方式で行われることとなった。悪天候で実施も危ぶまれ、午後2時50分開始の予定が、サポートレースの遅れにより午後3時10分からとされたが、この時点で雨脚がかなり強く、霧による視界不良などもあり、何度かのスタートディレイを繰り返し、雨脚が弱まって空も明るくなってきた午後3時35分にようやく予選が開始された。雨は弱まったものの、まだ路面には水が多い状態で、多くの車両が先を争ってコースへと向かったが、開始早々に大嶋 和也(NTT Communications ROOKIE)が100Rでコースアウトし、スポンジバリアにクラッシュ。早くもセッションは赤旗中断となった。赤旗で車両排除とスポンジバリアの修復を行っている間に、雨はほぼ止み、路面コンディションも向上。15分ほどの中断の後にセッションが再開されると、大嶋を除く18台による一斉アタックが始まり、各車コース上の混雑に苦しみながらも徐々にタイムを更新。ここで関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL)が1分38秒651をマークしトップに浮上。平川も1分38秒台にいれ3番手につけた。しかし、ここで代役参戦の中山が終盤の複合コーナーでスピン。コース上に車両を停めてしまったため、2度目の赤旗が出された。残り27分でセッションが再開されると、宮田が1分38秒337でトップを奪取。ここでまた他車両のクラッシュが発生し、3度目の赤旗中断となった。この赤旗中断中にぱらぱらと雨が落ち始め、残り21分で再開されると、雨脚が強まりはじめた。そんな中、代役参戦のアレジが1分38秒252と宮田のタイムを0.085上回るトップタイムをマーク。阪口も好タイムをマークし3番手に飛びこんだ。ここでまたクラッシュが発生し、4度目の赤旗が出された。残り15分でセッションは再開されたが、この頃には雨脚が強まっており、一旦全車コースインするも、タイム更新はできないまま予選は終了。アレジが代役によるスーパーフォーミュラ参戦2戦目にして初のポールポジションを獲得した。2番手には宮田、3番手には阪口と、今季よりフル参戦を開始した若手が続き、4番手に関口、5番手に坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)、6番手に平川と、トヨタエンジン勢が予選3列目までを独占する形となった。山下 健太(KONDO RACING)は10番手、国本 雄資(KCMG)が14番手、小高が15番手。中山、大嶋は赤旗の原因を作ったとしてタイム抹消。後方からのスタートとなる。決勝16日(日)は朝からサーキットが深い霧に包まれ、午前中に予定されていたスーパーフォーミュラのフリー走行などはキャンセルに。しかし、正午過ぎからスーパーフォーミュラ・ライツ第8戦が実施され、続いてスーパーフォーミュラもウォームアップ走行を経て、午後2時55分に42周もしくは最大75分間で争われる決勝レースが行われた。ウェットコンディションながら、セーフティカー先導ではなく、グリッド停止状態からのスタンディングスタートでレース開始。ポールポジションのアレジは好スタートを切ったが、最前列2番手に並んだ宮田は濡れた路面でホイールスピンさせて後続に飲み込まれる形に。そして各車一斉に1コーナーへとなだれ込む中で、5番手スタートの坪井が止まりきれず、アウトにいた平川に接触。2台はスピンし、これを避けようと後続勢は大混乱となった。この混乱の前にいた関口が2位、阪口が5位、そして16番手スタートの大嶋が7位へと大きくジャンプアップを果たした。平川と坪井はそのまま車両を停めることとなり、レースは1周目からセーフティカーが導入。5周目に再開されたが、この再スタート直前、2位につけていた関口がコースオフ。6位へと順位を落とした。再開後はウェットの難しい路面コンディションながら、各所で水煙を上げながらの2ワイド、3ワイド、時には4ワイドの激しいバトルが展開。関口の後退により4位に上がっていた阪口は、8周目に前車をかわし表彰台圏内の3位へ。また、スタートで8位まで後退していた宮田が目覚ましい追い上げを見せ、9周目には4位へとポジションを上げた。11周目、強い雨が降り始め、再度セーフティカーが導入。このセーフティカー走行中に、14位を走行していた小高がコースオフしストップ。赤旗が掲示され、13周目を終えたところで車両はストレート上に並んで停止することとなった。天候の回復を待ったが、濃さを増す霧は晴れず、午後4時30分、主催者が11周終了時点でのレース終了を発表。この結果、代役でスーパーフォーミュラ参戦2戦目となるアレジがポール・トゥ・ウィンで初優勝を飾ることとなった。阪口は3位でチェッカーを受けたが、レース後2位のドライバーにペナ...
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