2007年3月14日Albert Park Circuit, Melbourne Australiaマーク・プレストン:SAF1チーム テクニカルディレクター
SAF1チームのニューマシンSA07について教えてください。「最初に、素晴らしい初年度を終えることができたことを言っておきたい。シーズン終盤の結果にはチームの全員が本当に興奮した。だが、難しいのはこれからだ。2006年に学んだことに見合うだけの結果が出せるように努力し続けなければならない。SA07の焦点は昨年の戦略から変化しておらず、チームは空力開発と新しいブリヂストン・ポテンザタイヤに重点をおいている。2006年は開発戦略の方向性を確認することができた。SA07はそのプロセスの延長だと言っていい。少人数だが有能でやる気のあるデザイナー、エアロダイナミシスト、エンジニアのグループを作った。彼らがシーズンを通してマシンのパフォーマンス向上のために戦うことになる。日本のホンダやイギリスの他のサプライヤーと共に、8ヶ月間、このプロジェクトに取り組んできた。SA07にはホンダと共同開発した新しいモノコックを採用している。これによって、重心も大きく一歩前進するし、エアロダイナミシストもよりフレキシブルに開発を行うことができる。昨年度はSA06のダウンフォースを他のF1チームと同じようなレベルにすることに焦点を当てていたが、今年はパッケージの効率性を同レベルにすることに重点を置いた。SAF1は2006年もブリヂストンとパートナーシップを結んでいたチームのひとつなので、そのおかげでウインターテストの期間中に素早く新しいタイヤの理解を深めることができた。2006年と同じようにホンダ製のパワートレーンを採用しているが、それは昨年度より良く調和しているので信頼性も向上している。これが、初のワールドチャンピオンシップポイントを勝ち取るという今シーズンのチームの目標を達成するカギとなる要素だ。最初の3レースは他のチームのニューマシンにも初期トラブルが発生する可能性が高いので、確実な走りでポイント獲得を狙う。」2007年シーズンの技術面での目標は?「小規模チームなので、F1で定着しはじめたデザインコンセプトをたくさん採用することになる。新しいクラッシュテストのルールのためにノーズボックスやリヤインパクトのデザインが大幅に変わり、サイドインパクトの必要条件も変わった。F1カーは常に進化しているので、シーズン開幕当初のマシンが最終的には変更されることが多い。2007年のSA07もそうなるだろう。とてもコンペティティブなシーズンとなることが予想できるし、ライバルチームも開発の手を緩めることはないだろうから、コンスタントに変更を加えていかなければならない。」このマシンは、ウインターテストで走らせたSAF1チームの暫定マシンと何が違うのですか?「パワートレーンに関しては2006年に使ったものを継続して使うので、全く同じだ。空力面ではウイングや他の空力デバイスが変更された。その他のほとんどの部分は同じままだ。ラジエーターのパッケージングや電子系統も昨年とほとんど変わらない。」新しいブリヂストン・ポテンザタイヤに変更となったことの影響は?「新しいタイヤは多くの課題を提示することになるだろう。今年はコントロールタイヤになるし、2006年は2社のサプライヤーの間で激しい競争があったからだ。」2006年後半はスパイカーF1やトロロッソとの戦いがありました。2007年はどのような戦いになると予想しますか?「ブラジルをスタート地点と考えることができ、シーズン前のテストの様子を考えると、メルボルンでは我々の方が先を行くと思う。だが、トロロッソはメインチームが常に空力開発を行っていて、その恩恵を受けることができるので、それが今年の課題のひとつになる。スパイカーは空力にすべての資金を投入してシーズン半ばにはかなりいいパッケージを持ち込むと公表している。2006年の金曜日のテストではスーティルがとてもコンペティティブな走りを見せており、重要な存在になるだろう。」SA07の大きな新しい開発点は?「日本のホンダとさらに緊密な協力体制を継続できたおかげで、SAF1にとって大きな前進の一歩であるSA07を開発できた。ダウンフォースも増え、効率性も良くなる。カーボンギヤボックスやホンダ製の信頼性が高いパワートレーンも搭載される。」今年、期待することは?「2007年の主な目標はF1での地位を確立することであり、最も新しいF1チームであるSAF1チームの規模や経験に見合わないような結果を出し続け、初めてのチャンピオンシップポイントを勝ち取ることだ。チームのパフォーマンスが改善されていることもあるが、アンソニーがセカンドドライバーとして琢磨と共に戦ってくれることや、大成功だったウインターテストで信頼性が大幅に向上していることがその大きな理由だ。」
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