佐藤琢磨は、ダブルヘッダーの1レース目が行われましたインディカー第9戦ヒューストンの決勝レースをリタイアで終えた。予選6番手だった佐藤琢磨は得意のウエットコンディションで目覚しい走りを見せた。3列目からロケットスタートを切った佐藤琢磨はわずか5周でトップに躍り出て、その勢いを保って2番手に4秒もの大差をつけた。
しかし、スタート直後にタイヤがパンクしてバックマーカーとなったアンドレッティが佐藤琢磨の進路を塞ぎ、それを利用して接近してきたヒンチクリフがピットストップをしたため、トップの座を奪った。ドライコンディション用のスリックタイヤ装着でも佐藤琢磨は速く、ハイペースを保ってトップに返り咲くチャンスをうかがっていたが、32周目のリスタート直後、序盤のスピンで周回遅れに陥っていたルーキーのミハイル・アレシンが佐藤琢磨に強引なオーバーテイクを仕掛けたために2台は接触。絡み合うようにしてコンクリートウォールにヒットした彼らはそろってリタイアを喫した。佐藤琢磨(22位)「今日のようなフィニッシュは誰も望んでいません。本当にがっかりです。スタートはとてもうまくいき、2台をまとめてパスするところでしたが、その2台にサンドイッチにされてアクセルを戻さなければなりませんでした。それでも私のマシンはとても好調だったので、彼らを1台ずつパスし、トップに立つことができました。すべてが順調で、走ることを楽しんでいましたが、マルコ・アンドレッティがピットアウトして来て、温まっていいないタイヤで私の進路を塞ぎました。彼にはオフィシャルからブルーフラッグが長いこと提示され続けましたが、彼はそれを無視し続けました。私は彼の後ろを走ることで築いていたリードを失い、そこでようやくインディカーが彼に対してブラックフラッグを提示しました。すでに我々に対するダメージは十分に与えらえていました。ヒンチクリフは私のすぐ後ろまで迫っており、同じタイミングで行なったピットストップで彼にトップの座を奪われたのです。2番手で迎えたリスタートでは、ミハイル・アレシンが私の後ろにいました。彼は1周の周回遅れでしたから、私はヒンチクリフとのバトルに集中していました。そして長い高速コーナーであるターン5は、イン側からオーバーテイクをする以外は不可能で、そこはまだ路面が濡れていました。なので、ライン上を走り続けていましたが、彼はアウト側からコーナーへと深く進入し、2台が絡み合う結果となりました。いったい彼は何がしたかったのでしょうか。次のコーナーはヘアピンですから、アウト側からのパスなど不可能です。私たちのチームは素晴らしい仕事をしてくれ、レースでのマシンは本当に高い競争力を備えていました。難しいコンディションでのレースとはなっていましたが、私たちの下した判断は正しく、走ることを大いに楽しめていました。本当に残念でなりません。アクシデントで手首を少し傷めましたが、明日のレースへの出場に関しては問題ないと思います」