佐藤琢磨は、インディ500の予選で18番手となり、明日は10番から33番までの決勝グリッドを争うことになった。第98回インディアナポリス500マイルレースは、予選のルールが昨年までとは大きく変わった。伝統的に、予選初日はポールデイと呼ばれ、その日に最速だったドライバーがポールポジションを手にしていましたが、今年から予選初日では、その翌日(予選2日目)にポールポジション争いをする9名のメンバーを決めることになった。
気温の低いコンディションの中、33人のドライバーたちは最速の9人となるべく、ダウンフォースを減らしてドラッグを削り取ったマシンで、超高速のアタックを繰り返した。予選アタックが単独走行による4周連続である点は、インディ500の伝統として保たれ、エントリーした33人全員が、少なくとも1度のタイムアタックを行った。予選用にターボのブースト圧が上げられるルールによって、インディカーはスピードアップを果たし、トップ争いは、4周の平均時速が230mph台(約370km)というハイスピードなものになった。出場ドライバー、および出場チームの実力はきっ抗し、230mph台に到達できなければ、トップ9に入ることは不可能だった。インディ500の予選スピードが230mph台をマークしたのは、2003年以来のこと。佐藤琢磨はアタックを1度のみにとどめ、228.786mphという記録で18番手だった。A.J. Foyt Racingは2度目のアタックを行うタイミングを探っていたが、最終的にそのチャンスは訪れなかった。佐藤琢磨は、今日の走行データをもとにマシンセッティングをさらに向上させ、決勝グリッドを決定するための予選2日目に臨むこととなった。今年からの新ルールでは、予選1日目の走行時間終了後、午後7時までは追加のエントリーが認められていたが、締め切りまでに追加のエントリーはなされなかった。そのため、明日は10番から33番までの決勝グリッドを争う予選グループ1と、ポールポジションから9番グリッドまでを争う予選グループ2という2つの予選が行われる。佐藤琢磨 (予選1日目 18番手)「朝のプラクティスでは、気温も路面温度も大変低く、マシンのスピードは速くなっていました。予選では完全な単独走行ですが、228mphは出せるとの読みがありました。そして私たちはその通りに228mph台を出したのですが、マシンのバランスは決してよくはありませんでした。1周目、2周目はよかったのですが、3周目からはハンドリングがオーバーステアになりました。リアのグリップが下がってしまっていたのです。しかしながら、自分たちはマシンをもっと速くできるという感触を得ました。4周の間に起きたバランスの変化を小さくすることができれば、1度目以上のスピードを出せるはずだと考えました。しかし、自分たちが2度目のアタックを行うことを考えていたころには、太陽が出て気温も少しですが上がり、スピードを出しやすいコンディションではなくなっていました。自分たちとしては、1度目のアタックでのスピードをキープしたまま、2度目のアタックに挑戦したかったのですが、そのチャンスはついに訪れませんでした。明日、10番グリッド獲得を目指してがんばりたいと思います」