佐藤琢磨は、インディカー 第9戦 ゲートウェイの決勝レースを9位でフィニッシュ。周回遅れのマシンに“カーナンバー30には抜かせるな”という指令を受けていたという話を耳にしたとし、「スポーツマンらしくない行為」だと怒りを露わにした。ポールポジションからスタートした佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing))は、序盤を悠々とリード。実に安定した走りで、燃費のセーブも行いながら余裕を持ってトップでの周回を重ねていった。
ところが、レース1と同じく各スティントを長くする作戦が、レース2ではアドバンテージにならなかった。イエローフラッグが出なかったことも影響し、バックマーカーに追いついた佐藤琢磨は彼らの遅いペースで走ることを強いられ、早めにピットに入る作戦で戦ったライバルたちが優位を手に入れた。レースは折り返し点を過ぎてもイエローフラッグが出ないままで、7番手を走行していた佐藤琢磨は遅いマシンに引っかかり、トップグループに接近することができなかった。もうゴール目前の197周目、佐藤琢磨の前方で接触による混乱が発生、それを回避しようとした彼は外側の壁に軽く接触し、レース2最初で最後のコーションフラッグが出る。ゲートウェイでの2戦目は、アンダーイエローでのフィニッシュとなった。「僕たちはスタートからレースをリードし、大量に燃料をセーブしていました」と佐藤琢磨は語る。「しかし、集団の最後尾に追いつき、自分たちのペースでリードを広げていくことができませんでした。今日の路面には埃が多かったのか、オーバーテイクするのが非常に難しくなっていました」「私たちの作戦は最初のスティントをできる限り長くするもので、ライバルたちは早めにピットインする作戦でした。その違いが勝負の行方を決定しました」「僕たちは燃費セーブを続け、終盤戦では作戦を変更してピットタイミングを変えることにもトライしましたが、トラフィックに引っかかり続けました。何台かのマシンは4周も遅れていながら、ピットから“カーナンバー30には抜かせるな”という指令を受けていたそうです。そんなのはレースではありません。スポーツマンらしくない行為ですから、僕とすれば納得がいきません。しかし、僕たちにはどうすることもできませんでした」