2025年F1最終戦アブダビGPでドライバーズタイトルを逃したオスカー・ピアストリに対し、マクラーレンCEOザク・ブラウンが無神経なトーンで声を掛けた──。これについて、元F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグが苦言を呈した。ピアストリは逆転タイトルの可能性を残して決勝に臨み、2位でフィニッシュ。選手権も3位で終えたが、チームラジオでは落胆の色を隠せず、レースエンジニアが必死に励ます様子が流れていた。
その直後、ブラウンはタイトルを獲得したランド・ノリスを称えた勢いのまま、ピアストリの無線に割って入り「オスカー、素晴らしいシーズンだった。7勝だ。君はスターだよ。また来年やろう」と声を掛けた。さらに「とても誇りに思っている。最高のチームプレーヤーだ。来年また頑張ろう。表彰台で会おう」と続けた。ロズベルグ「ザクはもう少し寄り添うべきだった」ロズベルグは Sky Sports F1 に対し、ブラウンのトーンは“場面にそぐわなかった”と指摘した。「彼(ピアストリ)にとってはレーシングキャリアで最もつらい瞬間だった。ザクは祝福モードのまま話しかけていたが、もう少し共感を示すべきだったかもしれない」とロズベルグは語った。「『来年こそ君の年になる』など、落胆している彼に寄り添う言葉もあったはずだ。もちろんザクはランドのタイトルで興奮していたのだと思うが、あの瞬間のオスカーの気持ちを考えれば難しい状況だ」ロズベルグは、ブラウンの態度が決して悪意ではなく、“ノリス初戴冠”という高揚感が生んだものだと理解を示しつつも、敗れたピアストリへの配慮が不足していたと結論づけた。