FIA-F2の第10戦がスパ・フランコルシャンで行われ、TGR WECチャレンジプログラムから同シリーズに参戦している宮田莉朋は、雨天で短縮終了となったスプリントレースでは15位。好天の下で行われたフィーチャーレースでは後半見事な追い上げを見せて7位でフィニッシュし、前戦ブダペストに続き2戦連続でのポイント獲得を果たした。7月26日(金)から28日(日)にかけて、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで2024年FIA-F2第10戦が開催された。
FIA-F2には今季TOYOTA GAZOO Racing(TGR) WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋がロディン・モータースポーツからフル出場している。全14戦で争われている今季のFIA-F2は10戦目を迎えた。今季FIA-F2とELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)に参戦している宮田莉朋は、6月のル・マン24時間レースに出場した後、翌週からヨーロッパを転々としながら、FIA-F2だけで6週間で5戦という過密スケジュールでレースを戦っている。この連戦を終えた後は、8月はレースが無いため、今大会はサマーブレイク前の欧州連戦最後の戦いとなった。今大会の舞台となるスパ・フランコルシャンは、数々の名勝負を生んで来た伝統のサーキット。1周7kmを超えるシリーズ最長のコースで、「スパ・ウェザー」と呼ばれる変わりやすい天候でも知られている。宮田莉朋はデビューイヤーのFIA-F2序盤戦、中東の開幕戦と豪州の第3戦でポイント獲得を果たした。舞台が欧州へ移ってからは、初めてのサーキットで走行時間も限られる中、毎戦着実に経験を積み、随所で光る速さを見せている。前戦ブダペストではレース2で18番手からオーバーテイクショーを演じ8位入賞。ポイント獲得を果たした。【予選】26日(金)午後4時より30分間の予選が行われた。雨の予報もありましたが降ってはおらず、全車スリックタイヤでコースイン。開始6分でコース上に停まった車両により赤旗が出され、数分間の中断の後セッションは再開。宮田莉朋は1分58秒831で、このセッション前半では暫定13番手につけた。いったん各車ピットへ戻り、残り時間が10分ほどになったところで再アタック開始。宮田莉朋は1分58秒063とタイムを更新するが、ライバル勢も僅差の中タイムを詰めて行き宮田莉朋は中盤での争いに。宮田莉朋は最終ラップ、チェッカー直前にフィニッシュラインを越えてタイムを更新すべくラストアタックに入ったが、途中でイエローフラッグが振られアタックできず。16番手グリッドとなった。【スプリントレース】27日(土)は雨模様となった。当初スプリントレースが予定されていた午後2時15分の時点では、かなり強い雨に見舞われたことで、何度かのスタートディレイの後、一旦レースは順延に。その後行われたF1の予選後、午後6時25分から行われることとなった。各車がグリッドに並んだ時点では雨は止んだように見えたが、フォーメーションラップを走り始めるとまた雨が降り始め、水煙を上げてレースのスタートが切られた。他車のグリッド降格により15番手からスタートした宮田莉朋は後方集団の混乱の中でも大きく順位を落とすことなく1周目を1ポジションアップの14位で終え、2周目にかわされ15位に。2周目に車両トラブルによりコース上に停まった車両が出たことで、バーチャルセーフティカーとなった後、セーフティカーに切り替えられた。セーフティカー先導で走行を続けていたが、その間にも雨量が増し、視界が悪くなったことで7周目に赤旗が出され、全車ピットへ。そのままレースは終了。5周終了時点で成立ということになり、宮田莉朋は15位でこのレースを終えることとなった。宮田莉朋天候がかなり荒れていて、レースが一旦延期になり、こちらの午後6時過ぎにレースが行われることになりましたが、またそこもスタートがディレイしたりして、スムーズには行きませんでした。レースとしても3周か4周で終わってしまって、スパ・ウェザーというものをかなり感じたレースでした。初めてのスパの雨のレースでしたが、やはり見えづらいところはありましたし、特にオー・ルージュを上がるまでは、雨で後ろの方からは見えづらかったりして、他車がスピンしていたら避けられないような感じでした。とはいえレースは追い抜きが意外と多くて、自分もスタートでオーバーテイクできたりしていたので、楽しめましたし、フィーチャーレースもそんなレースにしたいと思います。【フィーチャーレース】28日(日)、前日悩まされた雨雲は去り、好天の下でフィーチャーレースが行われた。コース上の一部にはまだ若干濡れたところが残っているものの、全車スリックタイヤを装着し、気温16度、路面温度22度のコンディションで午前10時よりレースが開始された。タイトで鋭角な1コーナーで1周目から接触によるクラッシュが発生。宮田莉朋は16番手グリッドから15位へとひとつ順位を上げたが、ケメルストレートの先でコースオフを喫し、18位へと後退。その直後に別の停止車両が発生し、1周目からセーフティカーが導入された。3周目を終えたところでセーフティカーは退去したが、再スタート直後にまたスピンからの接触によるクラッシュが発生。2度目のセーフティカーとなった。4周目にして5台がいなくなる波乱の幕開けとなったが、7周目にレースが再開されると、16位を走行していた宮田莉朋は後方ながらライバルとのバトルを展開。8周目あたりからソフトタイヤを装着していた上位勢がタイヤ交換義務消化のためにピットへ向かい、宮田莉朋は徐々に順位アップ。宮田莉朋もソフトタイヤでのスタートだったが、巧みなタイヤマネージメントで他のソフト勢よりも遅い、11周まで引っ張ってピットイン。ミディアムタイヤへと交換した。15位でコースへと復帰した宮田莉朋は、早めのピットでタイヤの摩耗が進んだライバルをかわしていった。その後、ミディアムタイヤスタート勢もピットへ向かい、全車がピットを終えた17周時点で宮田莉朋は9位へとポジションアップ。19周目、宮田莉朋はさらに1台かわして8位へと順位を上げると、その後は遅めのピットでソフトタイヤへと交換したばかりの後続の猛追を受けることとなった。しかし、宮田莉朋はこの追撃を巧みにかわし、ライバル勢がソフトタイヤのピークを越えると逆に引き離す展開に。さらに前を行くチームメイトとの差をみるみる詰めていった。ファイナルラップ、3位走行中の車両がスローダウンしたことで7位へと順位を上げた宮田莉朋は、テール・トゥ・ノーズまで追い詰めたが、逆転までには至らず。0.6秒差の7位でチェッカー。16番手スタートからの見事な追い上げで、前戦ブダペストに続き、2...
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