ダニエル・リカルドは、今シーズン以降もレッドブル・レーシングに残留する新契約の締結に近づいているようだ。今シーズン限りでレッドブルとの契約が切れるダニエル・リカルドは、2019年にレッドブル・ホンダへの残留をコミットする前に、メルセデスやフェラーリに移籍する可能性があるかを探っていた。
しかし、メルセデスはルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが残留するのが既定路線だとされ、フェラーリはセバスチャン・ベッテルのチームメイトとして、現チームメイトのキミ・ライコネンの残留か、ザウバーで活躍する育成ドライバーのシャルル・ルクレールを昇格させるかの2択に絞ったとされている。レッドブル・レーシングは、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、チームと7勝を挙げているダニエル・リカルドをキープしたいとの願望をしばらく示してきた。報道によると、ダニエル・リカルドは、昨年新契約を結んだマックス・フェルスタッペンとの報酬格差を解消することを熱望しているという。ダニエル・リカルドの現在の年俸は650万ドルと推定されているが、マックス・フェルスタッペンは2020年末までの新契約で年棒を2500万ドル~3500万ドル(約28億3000万円~約39億6000万円)にまで引き上げることに成功したともいわれている。今週末のレッドブルのホームレースとなるF1オーストリアGPに先駆け、モータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ダニエル・リカルドとの新契約は“目前に迫っている”と宣言した。「まだ完了はしていないが、まもなくだろう。時間はそれほどかからない」とヘルムート・マルコは述べた。レッドブルとダニエル・リカルドは、水曜日午後のプロモーションイベントに先立って交渉を行った。「ダニエルがドライバーマーケットで良いポジションにいるとは思わない」とヘルムート・マルコは Autosport にコメント。ダニエル・リカルドのオプションは、レッドブル、フェラーリ、メルセデスだけではない。マクラーレンとルノーもダニエル・リカルドに選択肢を提供しているが、競争力という点ではレッドブルよりはるかに低い。ダニエル・リカルドがレッドブルに残留した場合、ルノーに1年間期限付きでローン移籍となっているカルロス・サインツは、ルノーと恒久的な契約に切り替えると考えられており、ルノーはニコ・ヒュルケンベルグとカルロス・サインツというラインナップを維持することになる。「メルセッデスとフェラーリには、ナンバー1ドライバーが明白に宣言されている」とヘルムート・マルコはコメント。「私はリカルドがフェラーリからオファーを受けていないことを知っている」「ルノーに関しては、私が知る限り、現在のドライバーのままとなるだろう。とりわけ、リカルドが考慮しているような予算をルノーがまかなえるとは思わない」「ダニエルは我々以外に競技をする場所がない状況にいる。我々はダニエルと継続することを望んでいるが、費用がいくらかかってでもというわけではない」ダニエル・リカルドは、2019年以降に所属するチームは“タイトルを獲得するマシンを得られるかどうか”で決定すると語っているが、もし、リカルドが望んでいるものが報酬なのであれば、マクラーレンが魅力的な選択肢になるかもしれない。双方は否定しているものの、マクラーレンはダニエル・リカルドに対して2000万ドル(22億円)のオファーを出したと報じられている。それは現在リカルドがレッドブルでもらっている給与の3倍にあたる。