次戦7月16日から7月18にかけてシルバーストン・サーキットで行われるF1イギリスGPでは新たに実験的な予選フォーマット『スプリント予選レース / Sprint Qualifying Race』が実施される。またこのフォーマットは9月10日から9月12日にモンツァで行われるイタリアGPでも実施される予定だが、その後もおそらくカレンダー内の大会のどこかで3回目が行われる予定だ。
F1のスプリント予選の目的は何なのだろうか? フォーマットはどうなっているのだろうか? レースウィークエンドにどのような影響を与えるのだろうか?F1黎明期はスターティンググリッドがくじ引きで決められていたこともあったが、F1世界選手権が1950年に創設されてからは計時セッションで最速タイムを記録したドライバーが決勝レースのポールポジションを手にするというフォーマットが用意されている。このフォーマットは年月とともに細かく変化しており、2セッション中の最速タイムでのグリッド順や2セッションの合計タイムでのグリッド順、1セッション1ラップ制などを経たあと、近年は3セッション(Q1 / Q2 / Q3)のエリミネーション方式(トップ10が決まるまでタイムが遅いドライバーから切られていく)が採用されている。しかし、2021年シーズンにはこれまでとは大きく異なる予選フォーマットが3GPで用意されることになった。その新たな予選フォーマット『スプリント予選』は、突き詰めれば「土曜日に開催されるミニレース」で、このレース結果がそのまま日曜日に開催される決勝のスターティンググリッドを決めることになる。ではなぜこのような変更が加えられることになったのだろうか?最大の理由は、米国のリバティメディアがF1を買収して以来取り組んできたこと、つまり “ファン・エクスペリエンスの向上” にある。スプリント予選を導入すれば、まず金曜日がコンペティティブな様相を呈するようになる。なぜなら、この日のフリープラクティス(FP1)後にスプリントレースの予選が開催されるからだ。そして土曜日になれば、フリープラクティス(FP2)後にスプリント予選本番が開催され、F1ファンは走行距離100km・約30分のレースを楽しめる。スプリント予選はその名の通り走行距離が短いため、ドライバーたちはスタートからフィニッシュまでピットインなしの全開ドライブをすることになる。ドライバーたちは日曜日の決勝をなるべく良いポジションからスタートさせたいが、同時にスピンやクラッシュで決勝を棒に振らないように注意する必要もあるため、スプリント予選はファンに素晴らしいスペクタクルを提供するだろう。純粋主義者のファンは「これまで通りで良いのに」と不満に思うかもしれないが、心配は無用だ。なぜなら、スプリント予選が開催されても日曜日の決勝がレースウィークエンドの目玉であることに変わりはないからだ。スプリント予選にショー的要素や国歌演奏はなく、ポイントはいくらか獲得できる(優勝3ポイント / 2位2ポイント / 3位ポイント)ものの、表彰台セレモニーやシャンパンファイトは用意されず、通常の予選でポールを獲得したドライバーにピレリ製ミニタイヤが授与されるのと同じように、パルクフェルメで優勝ドライバーに小さなトロフィーが授与されるだけだ。以上がエキサイティングで新しい予選フォーマットの基本情報だが、実際のスプリント予選は、進行方法、タイヤやパルクフェルメのルールなど、すべてが細部まで考え抜かれている。近年、F1はレギュレーションについて非常にフレキシブルな姿勢を取っており、スプリント予選も現時点ではあくまでトライアルだとしている。そのため、このフォーマットが機能すれば、採用される回数が増える可能性があるが、機能しなければ興味深い実験のひとつとして処理されるだろう。
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