2020年のF1世界選手権 第6戦 スペインGPの決勝が8月16日(日)にバルセロナのカタロニア・サーキットで行われ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝。マックス・フェルスタッペンが2位表彰台を獲得した。新型コロナウイルスの影響によってカレンダーに大幅に改訂された2020年のF1世界選手権。通常ヨーロッパラウンドの緒戦として5月に開催されているF1スペインGPだが、今年は夏の8月に開催。非常に暑いコンディションのなかでのグランプリとなった。
気温30度、路面温度48.6度のドライコンディションで66周のレースはスタート。優勝はメルセデスのルイス・ハミルトン。ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトンは一度もリードを奪われることなくレースをコントロール。盤石な2ストップ戦略を成功させ、今季4勝目、通算88勝目を挙げた。また、今回で156回目の表彰台を獲得。ミハエル・シューマッハ(155回)を抜いて、F1歴代表彰台獲得数で単独首位に躍り出た。2位はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。第1スティントですでにルイス・ハミルトンについていくことができず、2位固めの戦略に変更。2回目のピットストップを早めてトラックポジションを優先。ハミルトンから24.177秒遅れでチェッカーを受けた。3位はメルセデスのバルテリ・ボッタス。スタートで後退したことが響き、終始マックス・フェルスタッペンの後ろでレースを展開。第2スティントにソフトを選択したものの成功せず、最終的には残り2周でミディアムに交換して3ストップに変更。フェルスタッペンから20.575秒差でチェッカーを受けた。4位は新型コロナウイルスからの復帰戦となったセルジオ・ペレス。スタートで3番手まで順位を上げ、途中でブルーフラッグ無視の5秒加算ペナルティを科せられるも、1ストップ戦略で粘って4位でチェッカー。チームメイトのランス・ストロールも5位で続き、レーシング・ポイントが22ポイントを獲得した。おそらく、ルノーF1から抗議の対象になると考えられる。6位はカルロス・サインツ(マクラーレン)、そして、7位はフェラーリのセバスチャン・ベッテル。11番グリッドからスタートしたベッテルは1ストップ戦略でなんとか持ちこたえてチェッカー。ドライバー・オブ・ザ・デイに選出された。チームメイトのシャルル・ルクレールは電気系のトラブルでリタイアしている。8位はレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボン。6番手からスタートしたアルボンは誰よりも早い18周目にハードタイヤに交換する2ストップ戦略をとったが、各スティントをトラフィックのなかで過ごすことになり、スタートポジションから2つ順位を落としてのチェッカーとなった。9位はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー。10番手からスタートしたピエール・ガスリーは、オースドックスな2ストップ戦略を選択。スタートから順位を1つあげてのフィニッシュとなった。アルボンとの差は0.589秒差だった。10位のマクラーレンのランド・ノリスまでが入賞。ファステストラップはバルテリ・ボッタス(メルセデス)が記録した。2020年 第6戦 F1スペインGP 決勝 結果 順位NoドライバーチームGAPINTPIT 144ルイス・ハミルトンメルセデスLAP662 233マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダ24.17724.1772 377バルテリ・ボッタスメルセデス44.75220.5753 411セルジオ・ペレスレーシングポイント1L2.7401 518ランス・ストロールレーシングポイント1L54.8762 655カルロス・サインツマクラーレン1L1.5812 75セバスチャン・ベッテルフェラーリ1L12.7681 823アレクサンダー・アルボンレッドブル・ホンダ1L1.1952 910ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ1L0.5892 104ランド・ノリスマクラーレン1L0.5572 113ダニエル・リカルドルノー1L0.9911 1226ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ1L5.8532 1331エステバン・オコンルノー1L8.2091 147キミ・ライコネンアルファロメオ1L5.4752 1520ケビン・マグヌッセンハース1L7.6881 1699アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ1L0.6992 1763ジョージ・ラッセルウィリアムズ1L9.5872 186ニコラス・ラティフィウィリアムズ2L8.3002 198ロマン・グロージャンハース2L27.6512 DNF16シャルル・ルクレールフェラーリ  2【レース展開】セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、ケビン・マグヌッセン、エステバン・オコン、ロマン・グロージャン、アントニオ・ジョビナッツィ、ニコラス・ラティフィがミディアムタイヤでのスタートを選択。それ以外はソフトタイヤでスタートする。スタートでは基数グリッド勢が好発進。(1)ハミルトン(2)フェルスタッペン(3)ストロール(4)ボッタス(5)ペレス(6)アルボン(7)サインツ(8)ガスリー(9)ルクレール(10)ノリスの順でオープニングラップを終える。5周目、ボッタスがストロールを抜いて3番手に浮上。トップのハミルトンとフェルスタッペンのペースはほぼ互角。1.5秒程度の間隔でフェルスタッペンがついていく。タイヤを傷つけないようにすでにハミルトンはペースをコントロール。フェルスタッペンは「メルセデスはスーパースローだ」と無線で伝える。だが、乱気流でタイヤを傷つけないために迂闊には近づけない。ハミルトンがファステストを連発して引き離しにかかる。2ストップのウインドウである15周の時点で2番手のフェルスタッペンとの差は3秒、その2秒後ろにボッタス。4番手のストロールはさらに10秒後ろとギャップが開いていく。18周目:アレクサンダー・アルボンがハードタイヤに交換。16番手でコースに復帰する。20周目:ハミルトンとフェルスタッペンの差は6秒、フェルスタッペンとボッタスとの差は2.2秒。メルセデスが揺さぶりをかけられるタイム差となる。21周目:フェルスタッペンが『タイヤが終わった』と無線。ハミルトンとの差は8秒差。4番手のストロールとの差は21秒とギリギリ。22周目:マックス・フェルスタッペンがミディアムに交換。なんとかストロールの前でコースに復帰する。ソフトスタート勢は続々とピットインを開始する。サインツはソフトを選択。24周目:メルセデスがダブルストップを敢行してミディアムに交換。(1)ハミルトン(2)フェルスタッペン +4.3(3)ボッタス +4.5の順となる。25周目:フェルスタッペンが無線で『自分たちのレースをしよう』と伝える。事実上、優勝は難しいと判断し、ボッタスを抑えて2位表彰台に目指すというサインだ。フェルスタッペンとボッタスとの差は1.5秒に縮まる。27周目:バルテリ・ボッタス『黒いレーシングスーツは暑い』28周目:ランス・ストロールが...
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