プロドライブが買収間近と報じられたルノーF1チームの売却が新たな展開をみせている。これまでルノーF1チームの買収候補としては、デビッド・リチャーズ率いるプロドライブとルクセンブルグのマングローブ・キャピタル・パートナーズの名前が挙げられていた。そして、そのプロドライブとマングローブ・キャピタルが提携し、エンストンのルノーのF1施設の売却がまとまりつつあると報じられた。
しかし、実際にはプロドライブとマングローブ・キャピタルは、協力関係ではなく、ルノーF1チーム買収について争っているとの事実が浮かび上がってきた。マングローブ・キャピタルを管理するのは、ジェラルド・ロペスが運営するジェイニ・キャピタルと呼ばれる企業。同社は、先日ルノーの若手ドライバーテストに参加したホーピン・タンンを含むドライバーを管理するグラヴィティ・スポーツ・マネジメントやチャーリー・チャップリン博物館など、多くのプロジェクトに投資している。ジェラルド・ロペスの計画は、そのジェイニ・キャピタルを通じて、ビジネスパートナーであるエリック・ルクスと提携するというもの。チームの財政管理を握るとされているが、少なくとも2年間はチームはルノーとして残るとみられている。情報源によると、ジェラルド・ロペスは買収が成功したらルノーF1チームの株式75〜100%を取得するとされ、さらにルノーのドライバー養成プログラムを自身のグラヴィティ・スポーツ・マネジメントに組み込むことに同意しているという。ルノーは3日、パリで執行委員会が開き、チームの将来の計画を討議した。正式決定を下されなかったが、ロペスの方が優勢であり、ルノーのカルロス・ゴーンCEOもこの選択肢に好意的であるとされている。だが、ルノーF1チーム幹部は、プロドライブの提案に好意的であるいるとされており、状況は複雑化している。F1のトップに返り咲こうとしていルノーにとっては、あらゆるレベルのモータースポーツでチームを運営してきたデビッド・リチャーズの経験が貴重になるだろう。また、彼が関わることで、ルノーはチームとしてはF1から撤退し、エンジン・サプライヤーとして残れるようだ。バーニー・エクレストンは、ルノーチームがF1に残留する解決策は必ず見つかると語っている。「ルノーの件は解決しなければならない。今はその真っ最中だ。来年もその後も、ルノーがルノーの名前でF1に参戦するのをみれると確信している」ルノーは、12月14日の取締役会でF1活動に関しての最終決定を行うとされている。
全文を読む