ルノーのマネジングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、笑顔でモナコを出発した。ルノーは、2015年パワーユニットのパフォーマンスと信頼性の問題の大きさが露呈し、パートナーのレッドブルからの絶え間ない批判を受け流してきた。しかし、F1モナコGPではダニール・クビアトとダニエル・リカルドが4位、5位フィニッシュを果たしている。
シリル・アビテブールは「今はヴィリー(シャティヨン)のことを考えている」と AFP にコメント。シリル・アビテブールによると、本部があるヴィリーでルノーのスタッフは“不調”を脱出するべく過去何週間にもわたって“全て”を捧げてきたし、モナコで“信頼性とドライバビリティ”のゴールを達成したと述べた。「ドライバーは一度も不満を言わなかった。望む時にアタックし、タイヤを管理できた」とシリル・アビテブールは続けた。モナコGPの週末には、ルノーのカルロス・ゴーン取締役会長兼CEOがモナコを訪れており、F1最高責任者のバーニー・エクレストンと面談を行ったとされている。カルロス・ゴーンは、ルノーが2016年までレッドブル、トロ・ロッソとのエンジン供給契約を履行する意向をバーニー・エクレストンに伝えたと噂されており、その後ワークスチームを立ち上げる計画があるともいわれる。しかし、レッドブルにはそれよりも直近の懸念がある。ロングストレートを持つモントリオールのサーキットではルノーの苦戦が予想されるからだ。それだけでなく、カナダでは5基目のエンジン投入による10グリッドペナルティの可能性が間近に迫ってきている。しかし、シリル・アビテブールはカナダに前向きであり、“FIAのレギュレーション明確化により、解釈に対する道理的アプローチが必要になる”ことでメルセデスとフェラーリが“もっとコンサバティブ”になる必要があるかもしれないと笑顔で示唆した。これはパドックでうわさされる燃料流量規制をすり抜けるための高度な燃料システムに言及しているとみて間違いないだろう。「モントリオールを楽しみにしている」とシリル・アビテブールは締めくくった。
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