レッドブル・レーシングとアストンマーティンは、共同開発したハイパーカーのサーキット専用バージョン『アストンマーティン・ヴァルキリーAMR Pro』の詳細を初公開した。ヴァルキリー(Valkyrie)はレッドブル・レーシングとアストンマーティンによる共同プロジェクトで、F1チームの最高技術責任者を務めるエイドリアン・ニューウェイが率いている。
公道版は150台が販売されることになっているが、アストンマーティンによるとヴァルキリーAMR Proと呼ばれるこちらのサーキット限定バージョンはわずか25台しか発売されないことが明らかになった。公道の制約から解放されたヴァルキリーAMR Proは、よりパワフルな特注のコスワースV12エンジンを搭載し、公道版よりもはるかに大きなフロントウイングとリアウイングを備えたアップグレードエアロキットが搭載される。ヴァルキリーAMR Proは、軽量化が図られ、アップデートされたブレーキとLMP1仕様のレーシングタイヤを搭載することで大幅なパフォーマンスゲインを実現しており、コーナリングフォースは3.3G以上、トップスピードは時速250マイル(時速402km)に近づくという。レッドブルのシミュレーションによると、ヴァルキリーAMR Proは“現代のF1マシンやLMP1マシンに匹敵するパフォーマンス”を達成可能だとしている。「私にとってヴァルキリーは、並外れたパフォーマンスを与えられながらも真のロードカーとしてうまく機能することが極めて重要だった。そして、そこには当然のことながらいくらかの制約が伴うことになる」とエイドリアン・ニューウェイはコメント。「しかしながら、サーキット専用のヴァルキリーAMR Proでは、そういった譲歩のない究極の進化版を創造する自由を与えられた」 「公道版とサーキット版はコアなエレメントを共有しているものの、AMR Proは、エアロダイナミクス、シャシー、パワートレインと重量といったすべての側面がパフォーマンスを大きく拡大するために最適化されている。AMR Proどんな2シーターのクローズドルーフカーをもはるかに超えるレベルのサーキットパフォーマンスを提供するものとなる」 アストンマーティンのアンディ・パーマーCEOは「ヴァルキリーは限界をプッシュし、可能性を再定義するという考えのもとで開発された」とコメント。「公道版はパフォーマンス、エンジニアリングとテクノロジーの新たなベンチマークを設定し、真の意味でのハイパーカーとなる。そして、サーキット専用のヴァルキリーAMR Proの限界はそのさらに先までプッシュされる。注目に値するプロジェクトだ。アストンマーティンと25名の最も情熱的なカスタマーたちを新たな驚異の領域に推し進めることになるだろう」 アストンマーティン・ヴァルキリーAMR Proは、2020年にカスタマーへのデリバリーが予定されており、25台全てが契約済みだという。幸運な購入者にはレッドブルのドライバートレーニング施設へのアクセス権が与えられ、その中にはシミュレーターの利用やプロによるコース上での指導、体力強化のためのプログラムが含まれている。また、アストンマーティンとレッドブルによって独占的なサーキット走行イベントがシリーズ開催されることになっており、カスタマーたちは自らのマシンを限界で走らせることができる。
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