クリスチャン・ホーナーは、現在F1界で議論を呼んでいるエンジンの圧縮比を巡る論争について、初めて自身の見解を示し、レッドブルとメルセデスの両陣営を擁護した。この論争は、レッドブル・パワートレインズとメルセデスHPPが、2026年F1レギュレーション下で圧縮比18:1を実現できるパワーユニットを開発しているのではないか、という報道をきっかけに広がった。規則上、圧縮比の上限は16:1と定められている。
現在、圧縮比はピットレーンで周囲温度の状態で測定されており、走行中のマシンで圧縮比を測定する技術は存在しない。そのため理論上は、熱で膨張する金属をパワーユニットの設計に用いることで、シリンダー容積を増加させ、より大きな出力を生み出すことが可能になるとされている。仮に18:1の圧縮比を実現できるエンジンを使用した場合、オーストラリアGPのアルバート・パークでは1周あたり約0.3秒、58周の決勝レース全体では17.4秒ものアドバンテージを得られる可能性があると考えられている。この問題を受け、FIAとパワーユニットメーカーの間で協議が行われており、FIAのシングルシーター部門責任者であるニコラス・トンバジスは、測定方法に関する解決策が見つかるとの見通しを示している。また、アウディ、フェラーリ、ホンダ系のチームが抗議を起こすことはないとも語っている。2025年7月にレッドブルを去る前にレッドブル・パワートレインズを立ち上げたホーナーは、オーストラリアでの講演ツアーを前に出演した現地テレビ番組で、この問題について初めて口を開いた。「それはかなり強い表現だ」とホーナーは、「メルセデスHPPとレッドブル・パワートレインズが“野生のヤマネコのように不正をしている”」という指摘を突きつけられた際に語った。「フォーミュラ1とは、限界を押し広げるものだ。レギュレーションをどう解釈するかがすべてで、昔からそうだったし、これからも変わらない」「最も保守的なチームは、決してグリッドの先頭に立てない。常に限界を攻め続けなければならない」「もちろん重要なのは、レギュレーションをどう解釈するかという点だ。そして、地球上でも最も優秀なエンジニアたちが、その規則を見て『どうすればパフォーマンスを最大化できるか』と考えている」
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