レッドブル・レーシングのアドバイザーであるヘルムート・マルコが、2025年シーズン終盤戦に向けて「まだ隠し玉がある」と語り、さらなるアップデート投入を示唆した。マックス・フェルスタッペンがF1アメリカGPで圧巻の勝利を挙げ、オスカー・ピアストリとのタイトル争いを再び白熱させるなか、チームは“逆襲モード”に入っている。フェルスタッペンはここ4戦で3勝を挙げ、スプリントも制覇。ポイント差を40まで縮めた。
その勢いにマルコは自信を深め、「マクラーレンの優位は失われた」「これからは我々のターンだ」と強気の姿勢を見せている。フェルスタッペン「チャンスはある。完璧であることが必要」マックス・フェルスタッペンがF1アメリカGPで圧巻の勝利を飾り、オスカー・ピアストリとの差をわずか40ポイントに縮めた。ここ4戦で3勝を挙げ、スプリントでも優勝を重ねたフェルスタッペンは、再びタイトル争いの主導権を握りつつある。ザントフォールト以降、フェルスタッペンは実に64ポイントを取り戻しており、オランダ紙『De Telegraaf』は「2025年F1シーズンは信じられないほど劇的なクライマックスを迎える」と報じた。「ザントフォールトの時点で、この状況になるなんて誰かに言われたら“バカだろ”って言ってたと思う」とフェルスタッペンは笑った。「クルマの方向性を掴んで、どこを改善すべきか理解できた。毎週末その理想に近づけるように取り組んでいるし、ここ数戦は本当にスムーズに進んでいる」オースティンでの勝利もまた圧倒的だった。ホーナー退任後のチーム再編を経て、レッドブルのマシンは再び牙を剥いた。「間違いなくチャンスはある。残りの週末もこうしたパフォーマンスを続けなければならない」「チャンスを掴むには完璧であることが必要だ。細部への注意が勝敗を分ける」とフェルスタッペンは語った。マルコ「マクラーレンの勢いは失われた。今はマックスが差を作っている」ヘルムート・マルコも、この巻き返しに満足げだ。「チームの雰囲気は本当に良い。マクラーレンにはもう以前のような余裕はない。ピアストリも少し苦戦していたようだ。そうであってほしいね」とORFに語った。「夏の時点で我々はほぼ諦めていたが、それは間違いだった。これからマクラーレンに有利なサーキットはもうない。今はほぼ互角だと思う。最終的に違いを生むのはマックスだ」マルコはオースティン前に「内部的に15ポイント取り戻すことを目標にしていた」と明かし、「それが現実になりそうだ」と満足げに語った。ピアストリに焦り、2009年のジェンソン・バトンを想起フェルスタッペンの勢いに対し、ピアストリの冷静さには陰りが見え始めている。『Skyドイツ』のティモ・グロックはこう分析した。「今のピアストリは動揺している。2009年のジェンソン・バトンを思い出す。プレッシャーで自由に走れなくなっていたんだ。シーズン前半に見せた伸びやかな走りが消えてしまっている」一方でフェルスタッペンは、冷静に今後の展開を見据える。「今は本当にワクワクしている。タイトル争いはすごく接近しているし、最終戦まで細部がすべてを決めることになる」雨のメキシコGPへ、“絶対的フェルスタッペン・タイム”到来かF1サーカスは次戦メキシコへと向かう。天気予報では雨の可能性が高く、マルコは「まさにフェルスタッペンの時間だ!」と笑顔を見せた。さらにマルコは「まだ2025年型マシンに投入予定の大きな開発が残っている」と明かす。「いつ導入されるかは分からないが、我々にはまだ隠し玉がある」と語った。フェルスタッペンの勢い、そしてレッドブルの“隠し玉”――。タイトル争いは再び激しく燃え上がろうとしている。