レッドブルF1のアドバイザーであるヘルムート・マルコによれば、マックス・フェルスタッペンと角田裕毅は今後2戦にわたってさらなるアップグレードを受ける予定だ。マルコは、2025年のF1開発が終盤に差し掛かる中、レッドブルF1がオーストリアGPとイギリスGPの2週末にかけて最新のアップグレードを投入すると明かした。
レッドブルはこれまで、マイアミ、イモラ、バルセロナの各グランプリで段階的にフロア、サイドポッド、フロントウイングの改良を導入してきた。今回の新たな改良は、今週末の地元レース・オーストリアGPで投入される予定だとマルコは語る。「今回オーストリアにアップデートを投入する。それをさらにシルバーストンで改良する計画だ」とマルコは『Kleine Zeitung』に語った。「だが、それでも効果が出なければ、タイトル争いは厳しくなる。そして、すでに十分に厳しい状況にある」マルコは、これらのアップグレードが2025年シーズンに向けたレッドブルF1の“最後の本格的な開発”になると示唆している。チームはその後、2026年に導入される新レギュレーションに向けて、開発リソースを全面的に移す見通しだ。「風洞や各種ツールの使用に関しては明確な配分がある。しかし、やがて『これ以上の開発は終わりだ』という判断を下すことになる」とマルコは説明する。「理由は二つある。ひとつは時間。新しいパーツの生産には時間がかかる。そしてもうひとつはコスト上限だ」「だからこそ“どこにリソースを割くべきか”が問われる。遅くともシルバーストンかスパ(7月25~27日)には、来年のマシンに完全移行するという決定が下されるはずだ」現在レッドブルは、首位を走るマクラーレンに対して1周あたりコンマ3秒ほど遅れているとマルコは見ている。ただし、その差を埋めることは不可能ではないという。レッドブルリンクでのホームGPを前に、マルコはこう語る。「フェルスタッペンはここで5勝しているし、このサーキットは彼に合っている。タイヤの問題に関しては、マクラーレンを除けばどのチームも苦しんでいる。我々は今、マクラーレンに対しておそらくコンマ3秒ほど遅れているが、それ以上に問題なのは、我々のマシンの作動ウィンドウが非常に狭いことだ。これが難しさを増している。ただし、コンマ3秒を取り戻すのは不可能ではない。だが、それを実現するには、今まさに改善しなければならない」「ジェッダや鈴鹿のように我々のマシン特性に合うサーキットでは機能している。イモラやモントリオールも悪くはなかった。ただし、我々の作動ウィンドウは極端に狭い」レッドブルF1にとって、今週末のオーストリアGPと次戦イギリスGPは2025年シーズンの巻き返しを懸けたラストチャンスとなる。