レッドブルF1のアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、カタールGPで苦戦が続いたセルジオ・ペレスにアルファタウリには「3人のドライバー」がいることを思い出させた。ペレスは予選で今季8回目のQ3進出を逃し、スプリントでは3台が絡むトラブルに巻き込まれ、ドライバーズチャンピオンはマックス・フェルスタッペンの手に渡った。
決勝をピットレーンからスタートしたペレスは10位まで順位を上げたが、トラックリミット違反で3度のタイムペナルティを受け、復活はならなかった。ペレスは過去3戦で5ポイントしか獲得しておらず、ルイス・ハミルトンがドライバーズ選手権2位に30ポイント差まで迫っている。チームメイトに209ポイントもの大差をつけているフェルスタッペンに次ぐ2位の座を奪われないためにも、ペレスは「この負のスパイラル」を終わらせる努力をしなければならないとマルコは主張する。「カタールではまた速いラップがあったが、10秒のペナルティを受けてはどうにもならない」とマルコはORFに語り、ペレスが3度目のペナルティを受けたことには「気付かなかった」と述べた。マルコは、ペレスとフェルスタッペンの間にある大きな差は、常にその穴を埋めることができるライバルチームが到着するまでレッドブルにとって問題ではなかったと認めている。マクラーレンは連続表彰台を記録しており、マルコはマクラーレンの脅威が増していることを懸念している。「しかし、マクラーレンに2人の強力なドライバーが乗っている今、それは非常に重要になっている」とマルコは続けた。「世界選手権の2位を守れることを願っている。しばらくの間は快適なように見えたけど、今はリードが溶け始めている」マルコはレッドブルの姉妹チームであるアルファタウリには現在3人のドライバーが在籍しており、その全員が最近参戦していることを思い出させることで、ペレスへのプレッシャーを強めている。2024年、アルファタウリは角田裕毅とダニエル・リカルドがレギュラードライバーを務め、リアム・ローソンがリザーブドライバーの役割を担う。ダニエル・リカルドは今年の初めにレッドブルに復帰し、ニック・デ・フリースが10レースで解雇されたため、フルタイムのF1ドライバーに復帰した。リカルドはザントフォールトでのプラクティス中のクラッシュで左手を骨折して以来、ここ5戦は欠場しているが、2024年は角田裕毅とともに参戦することが決定している。レッドブルのリザーブドライバーであるリアム・ローソンがリカルドの代役を務め、アルファタウリはシンガポールGPで9位という今年最高の結果を残した。「チェコは今、結果を残さなければならない。アルファタウリには3人のドライバーがいて、ローソンは4台分のリザーブドライバーだ。したがって、将来はいろいろなことが起こり得る」ニュージーランド人のローソンは来年のドライバーとして見送られているものの、マルコは「遅かれ早かれローソンがF1でコンスタントに活躍するのは単純に論理的な帰結だ」と語る。レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「チェコは衝撃的なレースをした」とSky F1に語った。「彼はひどい週末を過ごした」ホーナーは、ペレスがハミルトンに対するアドバンテージを広げる機会を逃したことを強調した。その理由はペレスがペナルティなしで「突然、はるかに先を行っていた」ことと、「ルイスがポイントを獲得できなかった日」だったからである。「つまり、2位を確実に固める機会を逃したことになる」「我々はチェコが調子を取り戻せるようにできる限りのサポートを提供するつもりだ」とホーナーは主張した。「君たちは十分に彼を叩きのめすだろうが、我々は彼がその能力を発揮するのを本当に見たいんだ」