レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2023年F1シーズンの全レースで優勝することが「今では目標になりつつある」と認めた。モンツァでの前戦F1イタリアGPでマックス・フェルスタッペンが10勝目を挙げ、レッドブル・レーシングは昨年から数えて15連勝を達成した。
レッドブル・レーシングは、2023年シーズンの連勝記録を伸ばし、今年の22レース全勝にまた一歩近づいたが、これは世界選手権では前例のないことだ。1988年、マクラーレン・ホンダはMP4/4で16戦中15勝を挙げたが、アイルトン・セナがモンツァでウィリアムズの代役ジャン・ルイ・シュレッサーと接触リアイアしたことで完勝を逃した。イタリアGPまで、レッドブルは常に次のレースの先を見ることを拒んできた。しかし、残り8レースとなった今、マルコは、F1の連勝記録を塗り替えた後、パーフェクトシーズンを達成することが次の大きな目標であることを認めた。「まず第一に、我々の目標はワールドチャンピオンシップを獲得することだ」とマルコはAutosportに語った。「でも、シンガポールで勝てば、全レースで勝てる可能性が出てくる。もちろん、今ではそれが目標になりつつある」「シーズン序盤は全戦優勝なんて現実的ではなかったし、そんなことはこれまで一度も実現したことはない」「マクラーレンはここで(1988年に)止められたから、マスコミは我々にもその呪いが襲い掛かるというストーリーを組み立てた。だが、我々はその呪いに見舞われなかった」モンツァはレッドブルがつまずく可能性のあるトラックだと予想されていたが、フェルスタッペンとチームメイトのセルジオ・ペレスはフェラーリドライバーのカルロス・サインツとシャルル・ルクレールの気迫のこもった挑戦を退け、1-2フィニッシュを達成した。RB19はバンピーなレイアウトが苦手なため、来週末のシンガポールは無敵のシーズンへの最大の障害になるとチームは考えているが、それでもマルコはレッドブルが優勝候補になると予想している。「どのレースでもそうだが、我々はどこでも競争力のあるマシンを用意してきた。なぜシンガポールではそうではないのか?」とマルコは付け加えた。「しかし、フェラーリ、特にルクレールはそのあたりのスペシャリストだと言わざるを得ない。もし彼らが予選で速ければ、シンガポールのオーバーテイクは非常に難しいので、我々にとって問題になるかもしれない」「でも、僕らがシンガポールに持ち込むパッケージは勝つのに十分だと楽観している」レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、今年のレッドブルに勝つにはどうすればいいかという質問に対し、 「信頼性、運、戦略、ピットストップ、ペースなど非常に多くの要素がある。天候もそうだが、本当にたくさんの要素がある」と答えた。「自分のゲームのトップを維持しなければならない。私にとって、これまでのところ今年最も注目に値する成果は、ボールを落とさなかったということだと思う」「我々は信じられないほど高いレベルで運営を続けることに成功している。これはこれまでに見たことのないことだ」ホーナーは、今シーズン全勝でさらに歴史を刻むという見通しが、チームの鋭さと集中力を維持していることを認めた。「チーム全体にとって、我々が現在行っていることはすべて、歴史を作っていると思う」とホーナーは説明した。「そんな機会は滅多にない」