ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ! マックス・フェルスタッペン優勝・セルジオ・ペレス4位でオラクル・レッドブル・レーシングが9年ぶりのコンストラクターズタイトルを決めたオースティンの日曜午後を振り返る。マックス・フェルスタッペンが素晴らしい激闘の末にアメリカGP決勝を制し、オラクル・レッドブル・レーシングにとって5回目のF1コンストラクターズチャンピオンを確定させた。セルジオ・ペレスも4位入賞を果たし、チームの大量ポイント獲得に貢献した。
スタートでポールシッターのカルロス・サインツ(フェラーリ)をかわし、歴代最多タイとなるシーズン13勝目を挙げる理想的なポジションにつけていたマックスだったが、2回目のピットストップでトラブルに見舞われた結果、ポジションを大きく落とした。しかし、オラクル・レッドブル・レーシングにとって特別な意味を持っていたこのレースでマックスを阻むものは皆無だった。前戦の日本でワールドチャンピオン2連覇を決めたマックスは再び上位勢に襲いかかり、シャルル・ルクレール(フェラーリ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)を抜き去って優勝を掴んだ。そしてチェコが4位に続いた結果、オラクル・レッドブル・レーシングにとって9年ぶりのコンストラクターズタイトルが確定した。第19戦 F1アメリカGPスタートシグナルが消えると、マックスが最も素早い反応を見せ、蹴り出しが遅れたポールシッターのサインツの前に出る。マックスが先頭でターン1に飛び込むと、ワイドなラインで回り込んだサインツは後方でブレーキをロックアップさせたジョージ・ラッセル(メルセデス)から追突されてしまう。サインツのフェラーリはスピンし、結果的にリタイアを強いられた。このインシデントで漁夫の利を得たルイス・ハミルトン(メルセデス)が2番手に上がり、ランス・ストロール(アストンマーティン)がラッセルの前で3番手に浮上する。後方では9番グリッドからスタートしたチェコが好スタートを切り、集団がターン1に殺到する中、アウトサイドから回り込むスマートな動きを見せた。集団が詰まったところでチェコは7番手までポジションアップに成功。その後、チェコはオープニングラップでランド・ノリス(マクラーレン)とセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)を続けざまにかわして5周目までに5番手まで浮上した。チェコはラッセルに先行されたストロールを追う最中に小さなダメージを受け、フロントウイングの翼端板が飛ばされてしまったが、このダメージが猛チャージに悪影響を及ぼすことはなく、7周目にはストロールを抜いて4番手に上がった。先頭のマックスが2番手ハミルトンに3秒のリードを築く一方、チェコはラッセルとのギャップを詰めていく。ラッセルは1周目のサインツとの接触の原因を作ったと判断され5秒ペナルティを科されており、チェコは10周目までにラッセルの後方約0.5秒差に迫る。オープニングスティントおよび1回目のピットストップでは上位グループに大きな変動は起きなかったものの、19周目にスピンを喫したバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)がコースアウトし、ターン19のグラベルにスタックすると突如セーフティカー導入となった。ファーストスティントを引っ張る戦略を取っていたルクレールはこのセーフティカー導入の恩恵を受け、フリーピットストップを得た。ハードタイヤに履き替えたルクレールは4番手で合流し、チェコはルクレールがピットに入ったことで表彰台圏内の3番手に浮上した。21周目、セーフティカーが退出するとマックスはリスタートを盤石にコントロールし、ハミルトンとチェコを抑えて首位を守る。ところが、そのわずか1周後にストロールとフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が大きな接触を起こし、レースは再びセーフティカー導入となった。アロンソがストロールへのオーバーテイクを試みたところ、これを封じようとしたストロールの動きが遅れ、不意を突かれたアロンソはストロールのマシン後部に激突。アロンソのアルピーヌのフロントが宙に浮き、その後コース脇のバリアに接触した。アロンソはかろうじてレースを続行できたが、ストロールはここでレースを終えることになった。25周目を終えてセーフティカーが退出すると、マックスが再びリスタートを上手くまとめてハミルトンの前を守り、ハミルトンの後方には1.5秒差でチェコが続く。しかし、チェコの後方からよりフレッシュなタイヤを履いたルクレールが迫っており、ルクレールはターン15でチェコをパスした。35周目、上位陣で最初に2回目のピットストップを行ったのはまたもハミルトンだった。オラクル・レッドブル・レーシングはその次の周にマックスをピットインさせてハミルトンによるアンダーカットの試みを封じようとした。ところが、左フロントの交換にトラブルが起きた結果、マックスは11.1秒も停止することになった。これでハミルトンが先行し、マックスと同じ周にピットストップを行っていたルクレールもマックスの前に出た。しかし、マックスは勝利を諦める気配を少しも見せなかった。首位を走るチェコが2回目のピットストップを済ませて5番手でコースに合流すると、マックスはルクレール追走を開始する。マックスは瞬く間にフェラーリのテールに迫り、39周目のターン12でルクレールを力強くかわして3番手に上がる。その直後、ハミルトンは2回目のピットストップを遅らせて首位に立っていたベッテルをかわす。そして、42周目にベッテルがようやくピットへ向かうと、マックスがハミルトンから4秒差の2番手に浮上。その後方ではルクレールが3番手、チェコが4番手を走行する。マックスはそれから数周でハミルトンとのギャップをみるみる詰めていくと、50周目にオーバーテイクを仕掛けてターン12でハミルトンを抜き去った。ハミルトンも防戦を試みたがマックスが首位を死守し、そのままトップチェッカーを受けた。「厳しいレースだった。すべて順調に進んでいたけれど、ピットストップに少し手間取ってしまったので、あらためて前に出なければならなくなった。全員が全力を尽くした」とレース後のマックスは語った。「もちろん、僕たちチームにとってとても辛い週末だった。今日の勝利は、ディートリッヒと彼がみんなのためにしてくれたことに捧げたい。僕たちにできることは優勝だけだった。ピットストップのあとは優勝の可能性が遠のいていたけれど、僕は全力を振り絞り、限界までプッシュして巻き返した」優勝したマックスに続き、2位にハミルトン、3位にはルクレールが続いた。後方グリッドからスタートしたチェコは、ラッセルを抑えて見事な4番手を...
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