レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、大荒れとなった2021年F1ハンガリーGPのレースを振り返った。2021のF1世界選手権 第11戦 F1ハンガリーGPが開催されたが、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスはスタート直後のターン1でバルテリ・ボッタス(メルセデス)が引き起こした多重クラッシュに巻き込まれてしまい、望んでいた結果を手にできずにレースを終えることになった。
スタートに失敗してマックス、チェコ、ランド・ノリス(マクラーレン)に前に出られて焦ったボッタスがタイヤをロックさせて目の前のノリスに突っ込むと、ボッタスとノリスのマシンがそれぞれチェコとフェルスタッペンのRB16Bに突っ込み、全員がターン1から飛び出してしまった。また、このインシデントをインサイドから回避しようとしたランス・ストロール(アストンマーティン)もアウトサイドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)の右サイドに突っ込んでしまった。この結果、チェコを含む5台がいきなりリタイアとなったが、マックスだけはメカニックの尽力により奇跡的にレースに復帰。マックスはダメージを受けたマシンで力走を続けてポイント圏内の10位でフィニッシュしたが、レース終了後に2位だったセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が燃料サンプルの規定違反で失格となり、9位に繰り上がった。「このようにレースを終えてしまうのは非常に大きなフラストレーションが溜まるが、首位から10ポイント以内でサマーブレイクを迎えることができたし、まだ何も決まっていない」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「残念ながら、ターン1でボッタスのブレーキングが遅れたことで2台ともレースからはじき出されてしまった。チェコはすぐにリタイアへ追い込まれ、マックスも右サイドに大ダメージを受けてしまったので上位で戦うチャンスを奪われてしまった。今日の結果はメカニックたちのおかげだ。彼らは素晴らしい仕事をしてマックスをレースに戻してくれた。時間が限られている中で右サイドをできる限り修復したあと、最速ピットストップを記録してくれたというのは実に素晴らしい」「今日はチェコの実力を見ることができず、残念だった。彼は素晴らしいスタートを切っていたし、マシンとペースに自信も持っていた。マックスも大ダメージを受け、ダウンフォースを失っていたにもかかわらず、ハードにファイトして1ポイントを持ち帰ってくれた。シーズン最終盤にこの1ポイントが大きな意味を持つ可能性がある。今回のインシデントが大きな負担になるのは間違いない。コストキャップ制が敷かれているので金銭的に苦しくなるのはもちろん、ポイント的にも痛い。また、ホンダはチェコのエンジンがサルベージできるかどうか確認する必要がある」「しかし、ポジティブな要素も数多くある。近年で最も競争力が高いシャシーとパワーユニットを手にできているおかげで前半戦で6勝を記録できており、チームのモチベーションも非常に高い。数週間休み、しっかりと充電して、後半戦を戦っていくつもりだ。今年のような接戦は以前経験しているし、何も諦めていない。両タイトルにおける2チームの差はまだ小さいので、後半戦も素晴らしい戦いになるだろう。それに向けた準備はできている」
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