レッドブル・ホンダF1は、2020年のF1世界選手権 第5戦 70周年記念GPの予選でマックス・フェルスタッペンが4番グリッドを獲得。ミディアムタイヤでスタートするフロントローのメルセデス勢に対して、ハードタイヤでのスタートで活路を見出せるかが注目となる。結果としては、前戦F1イギリスGPに続いて、メルセデスに1秒以上の差をつけられることになったレッドブル・ホンダ。同じサーキットでの70周年記念GPではそれは想定できていたこと。
そこでレッドブル・ホンダは、Q2でマックス・フェルスタッペンをハードタイヤで通過させるというギャンブルに出た。これにより、フェルスタッペンは第1スティントで他のドライバーとは異なるシークエンスで走れることになる。何とかメルセデスと戦うチャンスを得るためにはスタートと第1スティントが重要となる。ピレリが試算したハードとミディアムのタイム差は0.7秒。レースペースでメルセデスに対して0.3~0.4秒差のペース差があるレッドブル・ホンダはどこまで食らいついていけるかが鍵となる。ピレリが分析した最速のタイヤ戦略はミディアム-ミディアム-ハードの2ストップ。この場合でのミディアムのウインドウは15周。2番目に最速の戦略はミディアム-ハード-ハードの2ストップ。この場合はミディアムで15周、ハードで20周を走行することを想定している。おそらくメルセデスは2名のドライバーで戦略を分けてくることが想定される。ハードスタートは3番目に最速。ハード-ハード-ソフトの2ストップ戦略でハードで23周ずつ走り、ラスト6周をソフトで走るというものだ。まずマックス・フェルスタッペンはスタートでニコ・ヒュルケンベルグ(レーシング・ポイント)を攻略することが重要。2つ目は、おそらくメルセデスはどちらかのドライバーがフェルスタッペンをブロックしてくることになるので、そこでバトルができるかが鍵を握るかもしれない。理想的なシナリオは、メルセデスの2台がピットに入った後にタイミングよくセーフティカーが入り、ポジションをロスすることなく上位を維持できることだ。だが、ガチンコ勝負になった場合にはレースペースでメルセデスに分があるため、おそらく3位表彰台が狙うことができるベストな成績となるだろう。明日ハードタイヤでスタートすることでどんな恩恵を得られるかは、1周目の状況とセーフティカーの有無に左右されるので分からないが、少なくともトップ10の中で唯一だし、ポジティブに働いてくれればと思っている」とマックス・フェルスタッペンは語る。「僕たちにはメルセデスのように予選モードはないけど、ここまでレースペースでは競争力を発揮できている。スタートがクリーンになることを願っているし、そうなればいいレースができると思う。目標は表彰台だ」一方、アレクサンダー・アルボンは今回のグランプリで再び真価が問われることになるだろう。週末を通してマックス・フェルスタッペンとの0.5秒差が縮まることはなく、予選では姉妹チームのアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが7番手と上回った。ガスリーは昨年途中にアルボンと交代で当時のトロロッソに降格したドライバー。心に期するものがあるはずだ。レースでの結果如何では、レース後にドライバー交代の報道が賑わうことになるかもしれない。「まだ僕自身の中にはタイムを上げられる伸びしろがあるとも思っている。もっとマシンの感触をよくして、ペースを安定させられるはずだ」とアレクサンダー・アルボンは語る。「明日は、採れる戦略が複数あるので、面白いレースになるはずだ。先週のレースではいいペースがあり、追い上げていけたので、明日のプランはマシンの力を最大限に発揮することだ。ポジションを上げて仕事を果たしたいと思う」一方、「ピエール・ガスリーはェラーリ、マクラーレン、レッドブルのマシンよりも上位につけられたのは、望みうる最高の結果だと思う。ここからは、明日のレースに集中する。見せ場を作る準備はできているし、持てる全力を出しきり、チームに好結果を持ち帰りたい」と意気込んでいる。
全文を読む