レッドブル・ホンダF1は、2020年のF1世界選手権の開幕戦オーストリアGPにマックス・フェルスタッペン、アレクサンダー・アルボンという布陣で挑む。昨年、ホンダF1とのパートナーシップを開始したレッドブル・レーシングは、マックス・フェルスタッペンが3勝を含めた9回の表彰台、3回のポールポジション、3回のファステストラップを記録する強さを見せた。
ホンダF1との2年目となる今年は、F1史上最年少ワールドチャンピオンがかかるマックス・フェルスタッペンとともに2013年以来となるタイトル獲得を目指す。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)「こんなに長い間マシンに乗らなかったのは、カート時代を含めても初めてのことだ。幸い、自宅にはシミュレーターがあるのでロックダウンの期間中はそれを使っていた。多くの人にとって非常に困難な時なので、今はレースに復帰できるだけでうれしい。再びマシンに乗ってレースをできることがうれしい。自由な時間がたくさんあったので、レースに向けてのトレーニングは、これまで以上に充実したものになっている。約6週間、トレーニングを行ってきて、オーストラリアに行く前よりも調子がよくなっていると感じている。今シーズン最初の2戦がホームで行われることもすばらしいことだし、特別な瞬間になることは間違いない。もちろん、応援してくれるファンがいないレッドブル・リンクは寂しく感じるだろう。このサーキットにはいい思い出がたくさんあって、去年のレースの終盤に観客席を見上げたら、みんなが立ち上がって応援していて感動した。優勝後にさらに多くの笑顔を見ることができたので、今年はそれがないのが残念だ。家でテレビを見ている人たちのためにも、いいレースを見せられるように頑張りたい。RB16をドライブするのは久しぶりだ。バルセロナでのテストではいいフィーリングだったけど、マシンには常に改善の余地があるものだ。チームはレースに向けて一生懸命働いてくれているし、マシンのアップグレードもされている。けれど、それはすべてのチームにいえることだから、今のところどのチームが勝つかは分からない。オーストリアの天候も変りやすいので、それも結果に影響すると思う。僕はドライビングに集中して、マシンのパフォーマンスを最大限引き出すことに専念する。今年の目標はチャンピオンだ。このサーキットでの3連勝については意識していない。僕にとって最も重要なのは、速いマシンに乗り、自分のベストを尽くすことだ。 ここが得意のコースだとも思っていない。去年は非常に暑い中で行われ、僕たちのエンジンは冷却面でアドバンテージがあった。だから今年は簡単なレースにならないと思っているし、今回もメルセデスは非常に強いと思う。フェラーリの強さもわからないし、し烈な優勝争いになると思うが頑張る。短い期間にレースが連続するので、レースの合間に自宅に戻ることができない。これは、特に家族を持つチームのメンバーにとっては大変なことだと思う。でも、僕はレースをすることが大好きなので、ストレスだとは思わない。最初のレースの結果にもよるが、レッドブル・リンクでレースが連続することは、移動がないという点でいいことだと思う。2戦目はどのチームも1戦目の経験があるので接戦になるだろうけど、1戦目で問題を抱えていたとしても、2戦目には新しいことを試すことができる。最初のレースで、マシンの情報を得ることができるのもいい。通常の戦い方とは違うものになるだろう。2020年はチャンピオン争いができることを願っている。一つ確かなことは、僕らができることはすべてやって戦うということだ。メルセデスは今までずっと絶対的な強さを誇るチームだった。勝つのは簡単ではないだろうけど、僕たちもチームとして、昨年の1年間で多くのことを学び、本当に強くなれたと思っている。今シーズンはいいレースができるはずです。差を縮める努力をするし、うまくいけば、彼らに勝てるだろう。ホンダは冬の間にハードワークをしてきて、バルセロナでのテストではすべてが整っていた。トップスピードも十分に出ていたので、これまでの努力にとても満足している。ホンダは非常にモチベーションが高く、タイトル争いをしたいという気持ちは、僕らと同じだと感じている」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・レーシング)「個人的には、オーストラリアGPの突然の中止は非常に特異なものだったと思う。冬のテストに入って、マシンだけでなく、自分の精神的にもチーム全体としてもレースに臨む準備ができていた。すべてがレースに対して前向きになっていたと思う。メルボルンでのフリー走行に向けて興奮した気持ちで、ホテルで眠れない夜を過ごし、翌朝の食事中に『帰りの飛行機を予約しました』と言われた。その時には、自分はなんのためにここまで来たのかと思ったよ。 オーストリアでの開幕を待ちわびていた。シーズンの再開が決定し、楽しみだ。ロックダウンのあと、ファクトリーに戻った初日は、休み明けの登校日のような気分だった。長い期間を経て、ようやくレースに復帰できるのはよかった。シーズンが中断されている間、イギリスに戻って最初にしたことは、チームとして状況を確認することだった。パドックで感染が起きていたので、チームは安全第一で自己隔離を行っていた。レースに向けてという意味では、あまりできることはなかった。長い間家にいることになりましたが、自宅にはジムの器具がなかったので、ファクトリーのスタッフに集めてきてもらいた。トレーニングに必要なものはなんでもそろうようにして、健康面も問題なかったが、遊びに行くこともできずに毎日を過ごしていたので、集中力が落ち、モチベーションを維持するのは簡単ではなかった。ホーナー代表から電話やメールで最新の情報を貰っていたが、チームとしての動きはそのくらいだった。僕たちはアスリートなので、自分たちの仕事として、いつでもレースができるように準備をしていた。7歳の時にレースを始めて以来、こんなに長くレースから離れて過ごしたことはないので、ただただ異常な状況だった。自宅では感じることのなかった、マシンに乗っているときのスピード感や、コースでラップを完ぺきに走って限界までプッシュする展開が恋しい。フィルミングデーでは、「なんて速いんだ!」と改めて思った。復帰できてうれしい。なにもないスケジュールから、今まで経験したことがないほど忙しいスケジュールになり、レースに関係する全員に...
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