レッドブル・ホンダ RB15をはじめ、2019年のF1マシンのバージボードには“ブーメラン・ベーン”と呼ばれる大きなベーンが搭載された。2019年のF1レギュレーションではマシン同士がより密接に追従し、オーバーテイクの可能性を高めることを目指して、フロントウイングを中心に、リアウイング、ブレーキダクト、バージボード、リアウイングといった重要な空力エリアに変更が加えられた。
2019年のF1マシンのほぼすべてのバージボードには、小さな垂直ベーンの上部を横切る大きな横ベーンがつけられ、その形状から“ブーメラン”と呼ばれた。この空力デバイスは、2017年にメルセデスが最初に使用したが、バージボードの規定高さが引き下げられた2019年規約の下ではさらに強力になった。ブーメラン・ベーンは局所的揚力(ダウンフォースの逆)を生成する。これによって、アウトウォッシュ気流を増強する必要があるホイールの内側を通過する対向気流が回避しようとする圧力場が誘発され、気流を外側に向けることができる。メルセデスW10のブーメランベーン