レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、同チームのジュニアプログラムは成功していると主張する。レッドブルのジュニアプログラムは、F1パドックで最も成功したドライバーアカデミーであり、マックス・フェルスタッペンやセバスチャン・ベッテルといったスタードライバーを輩出している。
しかし、近年はそのベルトコンベヤーの速度が低下している。レッドブルは頻繁にジュニアドライバーを切っており、昨年はダニエル・ティクトゥム、パトリシオ・オワード、ルーカス・アウアーがレッドブルを去っている。元レッドブルのジュニアドライバーであるジャン・エリック・ベルニュは、フォーミュラEで3回目のチャンピオンを獲得。同シリーズには他にもブレンドン・ハートレーン、アントニオア・フェルックス・ダ・コスタ、ニール・ジャニ、セバスチャン・ブエミという5人の元レッドブルのジュニアドライバーが参戦している。「ジャン・エリック・ベルニュはフォーミュラEで再び優勝したかもしれないが、彼のドライバープロファイルはF1で必要なものとは非常に異なっている。彼は多かれ少なかれビギナーだといえる。ピレリタイヤに慣れるにはシーズン全体が必要だ」とヘルムート・マルコは Motorsport-Total.com に語った。ヘルムート・マルコは、ジュニアドライバーたちがあまりに早くに契約を切られているとは考えていない。彼の目にはアカデミーは成功を続けている。ヘルムート・マルコは、レッドブル・レーシングとアルファタウリのF1ドライバーになるための基準がいかに難しくなっているかかと説明する。「我々たちはそれらのドライバーに1シーズンまたは2シーズンで資金を提供している。その支援がなければ、彼らはこの機会さえも得られないだろう。当初、ジュニアチームは特定のドライバーをサポートすることだけを目的としていたが、今ではその才能がグランプリで勝つ可能性を持っている必要がある。したがって、選択はより厳しくなる」現在、レッドブルのジュニアプログラムの有望株には日本人ドライバーの角田裕毅がいる。今年F2に初参戦するホンダF1の育成ドライバーでもある角田裕毅に、ヘルムート・マルコは“ランキング4位以内”という厳しい課題を突き付けている。「レッドブルは、彼がF2初年度からチャンピオンシップのトップ4で終え、F1に行くのに十分なライセンスポイントを獲得することを期待している」とヘルムート・マルコは語った。