レッドブルとホンダは、メルセデスが予想以上に“完璧に近い”シーズンスタートを切っていたため、F1オーストリアGPで初勝利を挙げることができたのは“予想外”だったと本音を語る。マックス・フェルスタッペンは、レッドブルのホームレース、そして、ホンダの役員が訪れたレッドブル・リンクで優勝。ホンダのF1継続が議論されているなかでタイムリーな勝利となった。
レッドブルとホンダは、開幕戦とスペインGPで表彰台を獲得していたが、メルセデスは開幕8戦で全勝を果たしていた。ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、2019年が“当初予想していたよりも厳しいシーズン”だったと認める。「我々はもっと良いシーズンのスタートを期待していました」と山本雅史は Autosport にコメント。「メルセデスは改善してきましたし、彼らに弱点はまったくありませんでした。良いシャシー、エンジン、ドライバー、マネジメント。ほぼ完璧です」「実際、我々はメルセデス側のこれほどの大きな改善を予想していませんでした。我々の予想とは大きく異なっていました」だが、F1オーストリアGPでは、メルセデスは2019年マシンの根本的な設計に起因する冷却問題によって劣勢に立たされた。レッドブル・ホンダは、フェラーリよりもそのメルセデスの弱点を利用して、メルセデスの連勝にストップをかけた。実際、レッドブルとホンダは、次のホンダのF1エンジンアップグレードが投入される予定のF1イタリアGP後の勝利を目標としてたが、メルセデスの状態によって、勝利は突然訪れることになった。フェラーリよりも先に勝利を挙げたことに驚いているかと質問されたレッドブルのF1チーム代表クリスチャン・ホーナーは「数レース前にそう言われていたいたら完全にそうだ」とコメント。「マックスは2018年のメキシコでレースに勝利した最後のメルセデス以外のドライバーだった。そして、今年メルセデスを倒した最初のドライバーとなった。それは驚異的な業績だ」「フランス後にオーストリアで我々が好転し、ここで勝つと言われていたら、それに感謝していただろう」F1フランスGPでの“スペック3”F1エンジンの投入を含めた今シーズンのホンダの進歩は、メルセデスとフェラーリのギャップを縮め、レッドブル・ホンダが散発的にトップ3フィニッシュに挑戦することを可能にしてきた。ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、9レース目で“このような”結果を得られるとは期待していなかったと認める。「これまでのレースでは非常に強力なメルセデスのマシンを目にしてきました」と田辺豊治はコメント。「フェラーリと競争できたときもありましたが、オーストリアでは我々は最強のパフォーマンスを示しました。それにはちょっと驚きました」