レッドブル・レーシングのチーフエンジニアを務めるポール・モナハンは、昨年のトロロッソでの経験がなかったとしても、ホンダへのF1エンジンの変更は成功していたと語る。レッドブル・レーシングは、昨年まで12年間エンジンパートナーを務めていたルノーとのパートナーシップを解消し、今年からホンダにF1エンジンを変更。マックス・フェルスタッペンが開幕から4戦すべてを4位以内で終えている。
2018年のトロロッソとホンダの連携により、レッドブル・テクノロジーに知見が蓄積し、今季のレッドブル・レーシングとのパートナーシップ開始に向けた土台は築かれていた。しかし、ポール・モナハンは、その恩恵を受けたとは感じてはいるものの、それがなくても今季のサプライヤー変更の成功に自信はあったと語る。「チーム間でやり取りできる情報はとても役立ちます。たとえ詳細までは分からなくても、他のチームがPUをどのように使うのかを知るのは興味深いものです」「マシンへの合わせ込みと実際の運用ともに、ホンダと一体になって取り組めていますし、もしトロロッソの存在がなくても、PU変更は間違ったチャレンジにはなっていなかったと思います。でも、レギュレーションの範囲内でトロロッソから情報を得られていますし、それが役に立っています」「PUサプライヤーの変更は、過去5年間のエンジン運用の経験をフイにしてしまうという側面もあります。運用、シャシーへの合わせ込み、必要事項やメリットなど多くの知見を失いますが、新たな挑戦にはそれに見合うだけの価値がありました」「ホンダがレイアウトやデザインを見直す準備をしてくれて、我々のシャシーに合わせようと取り組んでくれるのは素晴らしいことです。今季は全体的にこうした協調性が向上しているので、過去の知見を捨ててこの変化を選択したことに、かなり満足しています」レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンの活躍によって、すでに開幕戦で表彰台は手にすることができた。次の目標は優勝となる。ここまで厳しい結果もあったが、ポール・モナハンは、ホンダとの連携でチャンスは広がり、まだまだお互いに向上できる手応えがあることが、励みになっていると語る。「ホンダの仕事ぶりは終始プロフェッショナルです。PUは常に準備万端の状態で、彼らの説明通りの性能を発揮します。開発にもとても熱心で、信頼性とパフォーマンスの向上を並行して行っているさまは見事と言うほかありません」「ここまで、率直に物を言い合いながら仕事ができていますし、運用スタッフも最大限の性能を引き出そうと取り組んでくれています。PUの冷却面も手堅く、最高の形でシャシーとPUを組み合わせることができています」