レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、F1アメリカGPでもルノーのエンジン故障によってリタイアに追い込まれたダニエル・リカルドに対して、同情とも皮肉とも思えるコメントを残している。F1アメリカGPでは、チームメイトのマックス・フェルスタッペンが18番グリッドから2位表彰台まで挽回して“ドライバー・オブ・ザ・デー”を獲得する活躍を見せた一方で、ダニエル・リカルドはわずか9周でレースから姿を消した。
ダニエル・リカルドは、5月のF1モナコGPで優勝して以来、表彰台に上がっていない。その間、5度のリタイアを喫しており、シーズンで7度目のリタイアとなった。レッドブル・レーシングは、2019年もダニエル・リカルドを起用することを望んでいたが、皮肉なことにダニエル・リカルドはリタイアの原因となったエンジン供給元のルノーのワークスチームへの移籍を決断している。ヘルムート・マルコは、来年ルノーに移籍するダニエル・リカルドに“同情”を示した。「彼のことが気の毒だ。彼はあと2年このような問題に耐えなければならないのだからね」とヘルムート・マルコは語り、2021年のレギュレーション変更までこのような状況は続くであろうことを示唆した。レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーも、来年移籍するルノーのパワーユニットに故障が多発していることを不憫に思うと述べた。「当然、彼は、来年の雇用主であるルノーと話をすることになるだろう。現時点で彼がレースでリタイアを続けることは非常に苛だたしいことだ」とクリスチャン・ホーナーはコメント。ルノーは、2019年に“完全に新しいエンジン”を投入してパワーと信頼性の両方を向上させると語っているが、マックス・フェルスタッペンはルノーの主張には懐疑的だ。「見てみなければならないけどね。4年前も彼らはそう言っていた。3年前も2年前もそうだった。いつも同じ曲だ」とマックス・フェルスタッペンはコメント。「でも、僕には関係のないことだし、まったくそこには目を向けていない。ホンダとのチャレンジを楽しみにしている」マックス・フェルスタッペンが言うように、レッドブル・レーシングは今シーズン限りでルノーとのパートナーシップを終了し、2019年からホンダのワークスエンジンを搭載する。昨年までと異なり、ホンダはパワーユニットのコンポーネント投入数では全メーカーのなかで最多となっているが、レース中のエンジン故障はほどんどなく、コンポーネント交換も各サーキット、そして、来シーズンを見据えて“戦略的”な交換となっている。さらにF1ロシアGPで初導入した“スペック3”エンジンは馬力面でルノーを上回ったと報じられている。ヘルムート・マルコは、ホンダと搭載する2019年は、レッドブル・ホンダとしてワールドチャンピオンを争うと語っている。「ホンダのエンジンを搭載する来年、我々はワールドチャンピオンを争えると思っている。プロジェクトは本当に素晴らしいものだ。私は完全に真剣だ」