ダニエル・リカルドが2019年にルノーに移籍することが決定。レッドブル・レーシングの次期ドライバーにピエール・ガスリーの名前が挙がっている。レッドブル残留が確実と考えられていたダニエル・リカルドだが、8月3日(金)に今シーズンからチームを離れ、2019年からルノーに移籍することが電撃発表された。
ルノーは、2019年にニコ・ヒュルケンベルグが残留し、ダニエル・リカルドとチームを組むことを発表している。これにより、現在ルノーにローン移籍されているカルロス・サインツはシートを失うことになり、これまでの流れでいけば、ダニエル・リカルドの後任としてレッドブルに移籍することが既定路線だと考えられている。レッドブルへの昇格を熱望していたカルロス・サインツだが、昨年はそれが叶わず、カルロス・サインツは、昨年トロロッソで53ポイントを獲得し、シーズン途中にルノーに加入している。レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、カルロス・サインツとの契約を維持したままルノーにローン移籍させたのは、ダニエル・リカルドがチームを離脱した場合の“セーフティネット”だと説明していた。しかし、レッドブルは、ダニエル・リカルドの離脱を発表した際、2019年のドライバーについては“検討中”だと語った。「我々は今後、2019年シーズンにマックス・フェルスタッペンのパートナーを務めるドライバーを決定する前に様々な利用可能なオプションを評価していく」とクリスチャン・ホーナーは述べた。カルロス・サインツが、2019年にレッドブル・ホンダ RB15に乗ることが一筋縄は決定しないのはなぜだろうか? それにはマックス・フェルスタッペンとの関係が影響してると RaceFan は伝えている。マックス・フェルスタッペンは、2015年にトロロッソでF1デビュー。翌年のF1スペインGPで非常にダニーエ・クビアトと交代するかたちでレッドブル・レーシングに昇格している。この突然の交代は「クビアトのプレッシャーを取り除くため」と説明されたが、「トロロッソ内部の騒ぎを解消するため」だとも言われている。マックス・フェルスタッペンとカルロス・サインツは、トロロッソ時代に同士討ちを喫するなど関係が悪化していた。レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2人のドライバーが再びチームを組むことに反対していると理解されている。レッドブルは昨年マックス・フェルスタッペンとの契約を2020年まで延長。チームは否定しているものの、“ナンバー1ドライバー”として考えられており、それがダニエル・リカルドの離脱にもつながったと考えられている。そして、長年レッドブルのジュニアドライバーだったカルロス・サインツは、わずか1年ちょっとで自分を差し置いてレッドブルに昇格したフェルスタッペンを面白く思っているはずがない。一見するとレッドブルでの将来が確約されているカルロス・サインツが、マクラーレンと交渉を行っているのもそれが理由だと考えられている。代わって、レッドブルのドライバー候補に浮上したのがピエール・ガスリーだ。2016年のGP2チャンピオンであるガスリーは、今年トロロッソ・ホンダで好評価を受けており、来年レッドブルが採用するホンダのF1パワーユニットでの経験もある。ピエール・ガスリーは、トロロッソ・ホンダとともに浮き沈みのあるシーズンを過ごしているが、バーレーンGPではホンダがF1に復帰して以来の最高位となる4位入賞を達成。モナコGPで7位、そして、ハンガリーGPでは6位入賞を果たしている。だが、ピエール・ガスリーがレッドブルに昇格した場合、トロロッソは少なくとも1人のドライバーが必要となる。レッドブルのジュニアプログラムは才能が枯渇しており、トップのダニエル・ティクトゥムもF1デビューに必要なスーパーライセンスを有していない。したがって、レッドブルは外部からドライバーを連れてこなければならない。マクラーレンはジェームス・キー獲得の交渉の切り札としてランド・ノリスを貸し出すとされ、契約が成立する可能性がある。次の問題は、マクラーレンのどちらのドライバーがカルロス・サインツのためにシートを空けるかだ。マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは、カルロス・サインツ獲得に興味があることを明らかにしている。「我々にシートがあり、彼がフリーである場合、ドライバー候補リストの上位にいることは確かだ」とザク・ブラウンは語っている。今後の2019年のドライバーマーケットの鍵を握るのはカルロス・サインツであることは間違いない。