レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ホンダのリソースと設備、そして、マクラーレンと決別して以来の進歩を見れば、2019年のF1パワーユニットサプライヤーに選定することは容易な決断だったと語る。今年、レッドブル・レーシングは開幕10戦で3勝を挙げており、ルノーのエンジンを捨てることには疑問の声もある。特に新たなパートナーとして選んだホンダは、マクラーレンとの3年間で信頼性問題とパフォーマンス不足を露呈してきたからだ。
しかし、ホンダは今年からパートナーを組んだトロロッソと大きな改善を示しており、クリスチャン・ホーナーはホンダをF1パワーユニットサプライヤーを選定することは容易な決断だったと語る。「レッドブルは、両チームがホンダが全力を挙げて開発する同じパワーユニットを共有する立場に置かれている」とクリスチャン・ホーナーは RaceFans にコメント。「ホンダが行ってきた投資、リソース、施設、そして、特に過去ヵ6月間で彼らが実現させた進歩を見れば、我々にとっては本当に容易な決断だった」ルノーとのカスタマーエンジン契約を終了することで数百万ドルを節約できるようになるが、クリスチャン・ホーナーはチームの優先順位は競争力を改善させることだと語る。「ホンダとの契約はパフォーマンスに非常に多くの重点を置いており、変更の背景にあるのは、財政的な利益ではなく、エンジニアリング主導の理由だ」2005年にF1に参戦して以来、レッドブル・レーシングは、コスワース、フェラーリ、ルノーのカスタマーだった。2009年にルノーがワークス活動を撤退してエンジン供給元になって以降、レッドブルはより重視され、ブロウンディフューザーの共同開発が成果を挙げて、レッドブルとルノーのパートナーシップはダブルタイトル4連覇という成果を残した。しかし、ルノーはV6ターボハイブリッドで出遅れ、さらに2016年にワークスチームを復活させるという決断によって、レッドブル・レーシングとの溝は深まった。「もちろん、ルノーには現在ワークスチームがあるし、カスタマーとサプライヤーの関係は過去数シーズンでより誇張されたことになった」とクリスチャン・ホーナーは語る。「ホンダにはリソースの強みと深さ、そして、願望がある。そして、もちろん、我々は彼の独占的な焦点となる」レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツもホンダとの契約を完全に支持しているとクリスチャン・ホーナーは語る。「彼はホンダのプログラムを信じている。彼はポテンシャルについて楽観的に捉えている。我々の歴史のなかで初めて完全に集中した強力な自動車メーカーの後ろ盾を得られることを利益だとみなしている」現在のF1パワーユニットは非常に複雑になっており、メルセデス、フェラーリ、ルノーはシャシーに合わせて自前のエンジンをぎりぎりまで開発することができるが、カスタマーは事前に詳細と仕様を伝えられてワークスと同じものを得られるものの、シャシー設計は妥協を強いられることになる。「エンジンパートナーと緊密に連携して、事実上、他チームによって定義されたものを収容するのではなく、速い段階でシャシーとパワーユニットの統合を実施できる機械を提供してくれる」とクリスチャン・ホーナはワークスステータスの利点を語る。また、レッドブル・レーシングが、姉妹トロロッソと同じブランドのパワーユニットを搭載することには“かなり多くの相乗効果”があるとクリスチャン・ホーナーは語る。「来年、トロロッソは完全なレッドブル・テクノロジーのリアエンドを使用する。共通のパワーユニットサプライヤーであることは、それがより容易になる」唯一残っている問題は、2台のレッドブル・ホンダ RB15を誰がドライブするかという点。1台はマックス・フェルスタッペンが走らせることが決定しているが、ダニエル・リカルドはまだ次のプロジェクトを決定していない。しかし、クリスチャン・ホーナーは、ダニエル・リカルドが来年もレッドブル・レーシングで走ることを確信しているようだ。「我々はダニエルと正しい方向に進んでいる。当初から彼に残ってもらうことが我々の願望であり、意志だった」「エンジン契約が締結された今、彼は技術的な状況を確認する全ての要素を持っており、夏休みにむけて、我々がダニエルとどの位置にいるかをうまく結論付けることができることを期待している」
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